生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
前回では、自然治癒力と食事がいかに密接に関わっているかを説明してきました。正しい食事は自然治癒力を高めるということはもちろん、病気や症状に対しても有効になります。今回は実際にどのような食べ物が病気や症状に良いのかお知らせします。
食べ物には様々な栄養素が含まれていて、私達の体を維持し、健康を保つのに役立ちます。栄養素にはそれぞれ役割があり、しかもお互いに深く関わりあっているのです。
食事は体の健康ばかりか心も満たします。食べ物がもたらす満足感は、心の薬にもなります。実は薬以上の薬は毎日食べているありふれた食べ物なのです。
熱に強いビタミンCが多いのが特徴です。ウイルスに対する抵抗力をつけてくれたり、風邪に効果があります。また、美肌や便秘の予防にも有効になります。
大根を食べた時のぴりぴり感は有機硫黄化合物という成分のためで、これは強い殺菌力を持ち、風邪による口内炎や咳を穏やかにします。
そばには、ビタミンPが含まれていて、このビタミンPが血管を丈夫にして、血液が血管から漏れるのを防ぎます。そのため高血圧に良いとされています。
アスパラガスに含まれる、アスパラギンとアスパラギン酸は、毛細血管を拡張し、血圧を下げる働きがあります。
酢の中に含まれているクエン酸などの有機物が、疲れの物質といわれる乳酸を完全燃焼させて、水と炭酸ガスにしてしまいます。そのため、疲れが溜まりにくくなります。
豚肉は良質なたんぱく質を含み、疲労回復のビタミンをいわれるビタミンB1を多く含んでいます。
緑茶の成分カテキンが血糖値をさげるといわれています。糖尿病の予防や改善を考える人は、食後や食間に何か飲むなら、緑茶でくつろぐのがいいでしょう。
ごぼうには、食物繊維が多く含まれます。その食物繊維は便通を良くするだけではなく、糖分の吸収速度を遅らせ、血糖値の上昇を防ぐため糖尿病に有効といわれます。
ストレスにより胃がキリキリ痛むことがありますが、こういったとき最も効果的な食べ物は温かい料理で、脂肪が無く、たんぱく質に富み、刺激が少ないものです。この条件にぴったりなのが湯豆腐です。
山芋には、でんぷん分解酵素を多量に含んでいて、消化を助け胃もたれを防ぎます。また、サポニンという物質は胃痛などの胃の炎症を鎮めてくれます。
ハマグリには血液が過剰に固まるのを防ぐグルカンポリスルファートという成分が含まれ、動脈硬化や血栓予防に硬化があります。
納豆に含まれる大豆サポニンは、動脈硬化の引き金になる過酸化脂質の生成を抑え、血中の過剰なコレステロールや中性脂肪をのぞきます。
梅のすっぱさの素になっているクエン酸とりんご酸は、殺菌力があり胃腸の機能を正し、エネルギー代謝を促します。また、血液をきれいに働きにも富んでいます。毎朝一個ずつ梅干を食べると、快調になるといいます。
老化防止のビタミンといわれるビタミンEをたくさん含んでいます。ビタミンEは抗酸化作用が強く、体が錆びていくのを防ぎます。
以上、病気の予防効果が期待できる食品の例を挙げましたが、これらをどのように食すれば効果的なのかを考えるのが「 食医 」なのです。 「 食医の知恵 」が体を癒してくれるのです。
来月のテーマは、「自然治癒力を高める運動」です。