生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
日本人の高血圧の患者は、総人口の約4,300万人もいると言われています。つまり、日本人の3人に1人が高血圧という深刻な状況で、国民病とも呼ばれています。高血圧を放っておくと、心疾患や脳卒中を起こす可能性が高まります。今回は、『血圧』とはそもそも何か、そして、高血圧とはどのような状態なのか解説します。
心臓は、がポンプにように収縮と拡張を1日約10満開も繰り返し、全身に血液を怒り出しています。血液は、心臓から大動脈を通り、最終的に毛細血管に流れ込み、酸素や栄養素を細胞に送ります。そして、全身を回って心臓に戻ってくるという循環を繰り返しています。
体の隅々にまで血液を送るためには、血液に圧力をかけて送り出す必要があります。つまり、血圧とは血管の中を流れる血液の勢いが、動脈の壁に与える圧力を指します。そして、血圧には大きく2種類があります。
心臓がギュッと縮んで全身に血液を送り出す時の血圧で、送り出した時に大動脈の血管壁にかかる圧力のピークのことを指します。一般的には「上の血圧」などと呼ばれます。
全身から血液が心臓に戻ってきて、心臓がふくらみ次に送り出す血液をためている状態で、最も圧力が少ない状態のことを指します。一般的には「下の血圧」などと呼ばれています。
高血圧は動脈硬化の第一の危険因子であるため、適切な治療をしないまま何年も放置しておくと、心筋梗塞や脳血管障害などを引き起こす可能性が高くなります。
脳心血管病死亡の約50%が、120/80mmHgを超える高血圧に起因するものと推定されています。そのため「高血圧治療ガイドライン2019」では、収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満を正常血圧としています。
安静にしている状態で正常値よりも血圧が高い状態のことを指します。運動後 や気温の変化によって血圧は上昇することがあるため、たまたま測定した時に数値が高く 出ることもあります。このような一過性の場合もあるので、何度か測定を繰り返した上でも正常 値より数値が高い場合に「高血圧症」と診断されます。
本態性高血圧 |
高血圧全体の90%以上はこのタイプであり、原因がはっきりしない高血圧。食生活の乱れや肥満、食塩の摂りすぎ、お酒の飲みすぎ、喫煙など危険因子となって生じる。遺伝や加齢の要素も大きい。 |
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二次性高血圧 | ホルモン分泌異常や腎臓疾患などの病気や薬剤の副作用など何らかの原因が明らかな高血圧。 原因を取り除くことで血圧は下がる。 |
来月のテーマは、「高血圧とは?②~合併症と高血圧の予防法~」です。