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筋肉をもっと知ろう! ~筋肉の基本③ 筋肉痛・筋肉が凝る仕組み~

2022年3月
更新)
筋肉をもっと知ろう

筋肉の基本の最後は「筋肉痛」「筋肉の凝り」についてみていきましょう!

運動をした後に襲ってくる筋肉痛は、誰しも経験がありますよね。久しぶりに楽しく運動した後には、しばし痛みに耐えなければいけないことがよくあります。
また、肩こりや首こりなど筋肉の凝りは感じていませんか?

今回は、なぜ筋肉痛や筋肉の凝りによる痛みが発生するのか、そのメカニズムについて解説をしていきます。

筋肉痛の女性

「筋肉痛」はなぜ起こるの?

筋肉痛は痛みが生じる速さによって次の2つの種類に分かれます。

「即発性筋痛」

即発性筋痛は、運動した直後や運動している最中に起こる筋肉痛です。筋肉疲労とも呼ばれています。激しい運動をして筋肉に強い負荷がかかると、筋肉の代謝物である水素イオンが溜まり、筋肉が急激に酸性に傾くことで「痛い」「重い」などの症状が起こるといわれています。

「遅発性筋痛」

運動して数時間から数日後に生じる筋肉痛です。一般的に筋肉痛といわれるのが、この遅発性筋痛です。運動による筋繊維の損傷を修復する際に、炎症が起こって痛みを引き起こすといわれています。

普段使わない筋肉を使ったり、同じ動作を繰り返すことで、筋肉を構成している筋繊維に傷ができます。傷んだ箇所を修復する際に炎症反応が生じ、ブラジキニンやヒスタミン、プロスタグランジンなどの痛みを生み出す物質が生成され、筋肉痛が起こると考えられています。

「筋肉痛」はなぜ起こるの?

筋線維そのものには痛みを感じる神経はないため、痛みは炎症が広がって痛みを生み出す物質が筋膜に届くようになってから感じます。そのため、筋肉痛は遅れてやってくるのです。

年をとると筋肉痛が遅れて出るって本当?

筋肉痛と年齢に因果関係はないとされています。関係するのは、運動強度です。強度が高い運動を行うと筋肉痛は比較的早く訪れ、逆に強度が低い運動を行うと筋肉痛は遅くやってきます。

年を取ると、全力疾走や激しい筋トレなど、筋肉を限界近くまで追い込むような運動はあまりしなくなるため、筋肉痛が「遅く出るようになった」と勘違いしてしまうのです。

「筋肉の凝り」はなぜ起こるの?

筋肉は縮んだり緩んだりすることで、血流を促してくれています。血流が良いことで、酸素や栄養素が細胞に十分に送り届けられ、細胞から老廃物を回収することが出来ます。

しかし、筋肉の緊張状態が続き血流が阻害されてしまうと、筋肉の細胞自体も酸欠・栄養不足になり働きが悪くなります。さらには、回収されるはずの「疲労物質」や、痛みを生む「発痛物質」などが留まることで筋肉の神経を刺激し、「凝り」を感じるようになるのです。

デスクワークなど同じ姿勢でいることが多い方は、筋肉の動きが少なく硬くなりやすいため注意が必要です。また、ストレスなどで交感神経が優位な状態が続くことでも筋肉は収縮し硬くなります。

筋肉のこりの悪循環

筋肉の凝りは、上記のような負のスパイラルを辿ります。この筋肉の凝りのスパイラルを断ち切ることが出来るよう日頃から意識してストレッチを行い、筋肉の緊張を和らげてあげることが大切です。

また、出来るだけ毎日入浴をし、身体をゆっくりと温め筋肉をほぐして血流を良くするように心掛けましょう!

来月のテーマは、「筋肉をもっと知ろう! ~筋肉の基本④ 肩こり・首こり~」です。