生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
コロナ禍によるテレワークやオンライン授業などの普及で、より一層パソコンやスマートファンを扱う時間が増え、目を酷使し「疲れ目」になっていませんか?今回は、疲れ目の要因や予防方法についてご紹介いたします。
まずは、疲れ目のチェックをしてみましょう!
チェックの数が多ければ多いほど、目が疲れている可能性が高い状態です。 以下の原因と対策をしっかりと確認していきましょう!
人間は通常1分間に20~30回ほど瞬きをしますが、パソコンやスマートフォンの画面を見ているときには5~10回程度まで減少するといわれています。
目の表面には、常に涙の膜が形成され角膜を保湿・保護しています。瞬きはその涙の膜を交換・再生する重要な働きをしています。しかし、長時間のパソコン作業により瞬きが減ると、涙の量が不足したり、涙が均等に行き渡らなくなりドライアイの状態になってしまいます。
私たちはものを見るときに、カメラのレンズのような働きをする水晶体を調節しながら、ピント合わせをしています。この水晶体を調節するのが「毛様体筋」という筋肉であり、水晶体を引っ張ったり緩めたりしています。長時間のパソコン作業のように近くをじっと見るような場合には、毛様体筋はずっと緊張している状態になり、筋肉疲労を起こしてしまいます。
また、毛様体筋のピント調節力が老化で弱まる老眼では、近くが見えづらくなります。その状態で無理に近くを見続けることで目が疲れやすくなるといわれています。
長時間のパソコン作業などをする場合は、1時間おきに10分程度目を休めるようにしましょう。
パソコン作業の際には意識的に瞬きを多くするよう心掛けましょう。
パソコンなどの画面の高さや角度の調節も重要です。パソコンのモニター画面は、目から40~50cmほど離れるようにします。また、画面の角度は目線を少し下にした角度に調節するとよいでしょう。目の開く面積が狭くなり、目の乾燥を防ぐことができます。視線が上に向くとまぶたの開きが大きくなりドライアイになりやすくなるため注意しましょう。
ディスプレイが明る過ぎると目には強い刺激になります。画面の明るさを下げることで刺激を緩和することができます。また、夜遅くにパソコンを使用することが多い場合は、画面が暖色系の色に変わる「ナイトモード」を活用したり、「ブルーライト」をカットする画面シートを張ったり、ブルーライトカット眼鏡を活用するのもよいでしょう。
目の乾燥を防ぐために、特に冬の時期は部屋の湿度を保つことが大切です。加湿器などで湿度を上げることで、ドライアイだけではなく、肌や喉のケアにもつながります。
エアコンの風は、ドライアイ悪化の要因にもなりますので直接顔に当たらないよう調整をしてみましょう。
マスクの上端(鼻の両脇)から息が漏れると、その気流が角膜にあたりドライアイ症状を悪化させるとの報告もあります。必ずノーズフィッターを鼻に合わせて曲げ、鼻の周りに隙間ができないように調整してマスクを使うことも重要です。
目を温めることで、凝り固まった筋肉がほぐれて血流が良くなり疲れ目の解消につながります。また、まぶたにある「マイボーム腺(油分を分泌して目の乾燥を防ぐ)」の詰まりを緩和しドライアイの改善も期待できます。
手軽にできる方法は、軽く絞った濡れタオルを電子レンジで30~60秒ほど温めて、ホットタオルを作るのがおすすめです。入浴の際に、お湯でタオルを濡らし温めるのも良いでしょう。
パソコンの画面から時々目を離して遠くを見るだけでも良いですが、目から30cmほどの距離で人差し指を立て、人差し指と遠くを交互に見るようにすると、遠近のピント調節をすることができます。目のピント調節を担う毛様体筋の疲れを緩和することができます。
度の合わないメガネやコンタクトレンズを使っていると、ピント調節を無理に行うため、毛様体筋が疲れやすくなります。定期的に視力検査に行き適切な度数のものを使用するようにしましょう。
いかがでしたか?今日からすぐに実践出来ることもありますので、日々酷使している目を休ませてあげて下さいね。
来月のテーマは、「イベント!クリスマスお正月の楽しみ方・注意点 ~新しい生活様式~」です。