生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
コロナ禍でテレワークの導入が進み、今まで以上に長時間パソコンやスマートフォンを凝視する日々が続いている方も多いのではないでしょうか。
今月は、近年注目を集める「ブルーライト」についてご紹介します。ブルーライトについて正しく理解し、睡眠の質との関係を探求していきましょう!
私たちが目で見ることのできる光を「可視光線」と呼びます。可視光線の中で最も波長が短く、強いエネルギーを持つ青い光のことを「ブルーライト」と呼んでいます。
可視光線の波長の長さは、およそ400~780nm(ナノメートル)であり、400nmより短くなると「紫外線」、780nmより波長が長くなると「赤外線」と呼ばれています。可視領域以外の紫外線や、赤外線は人の目で見ることはできません。
波長が短ければ短いほど、進みながら他のものにぶつかる回数が増えるため、強いエネルギーを持つ(破壊する力が高い)といわれます。
例えば、がんの治療に用いられる放射線には、エックス線やガンマ線などがあります。これらは、紫外線よりも波長が短くがん細胞を破壊する強いエネルギーを持っています。
パソコンやスマートフォンなどの使用によるブルーライトの影響について、心配される方は多いのではないでしょうか。日本眼科学会は、私たちが毎日浴びている太陽光の中にもブルーライトは含まれており、曇り空や窓越しの自然光に含まれるブルーライトの方が、液晶画面のブルーライトよりも多いことから、目の網膜に障害を生じることはないレベルだろうとしています。
ブルーライトによる目への影響はまだ研究段階ですが、人の「体内時計」に影響を及ぼすことは明らかになってきています。
夜になると私たちの体内には、「メラトニン」と呼ばれるホルモンが分泌され、体温を下げて眠りを促します。しかし、ブルーライトを浴びることにより、メラトニンの分泌低下が起こり、体内時計が狂ってしまうのです。
そのため、夜遅くまでパソコンで作業をしたり、スマートフォンでゲームや動画を見ていると、体内時計が乱れて寝つきが悪くなってしまいます。現代社会においてはなかなか難しいことでもありますが、ブルーライトとの付き合い方を見直し、工夫をすることが大切です。
少しの工夫で質のよい睡眠へと繋がりますので、ぜひ取り入れてみて下さいね♪
来月のテーマは、「内臓冷え ~新しい生活様式~」です。