生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
現在、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、海外への渡航が制限されています。しかし、新型コロナウイルス以外にも海外ではさまざまな感染症が発生しており、注意が必要です。
今後、海外渡航が気軽にできるようになった時のために海外での感染症の注意点や予防方法をチェックしてみましょう。
海外での感染症を引き起こす主な経路は3つあります。感染経路ごとに感染症の特徴や予防方法をみていきましょう。
水や食べ物を介して口から感染します。
A型肝炎、細菌性赤痢、腸チフス、コレラ、アメーバ赤痢などがあります。
世界各地で発生し、特に水道設備が整っていない地域に多く発生します。食べ物は十分に火が通ったものを食べるようにしたり、生水を飲まないようにしたりしましょう。
空気感染・飛沫感染・接触感染などで、人から人へ感染します。
麻疹や風疹、水痘、ポリオなど、日本では感染が減少しているものであっても渡航先で感染してしまうことがあります。
予防接種の実施や症状がある人との接触を控えるようにしましょう。
動物や虫(蚊やダニなど)を介して感染します。
蚊を介して感染する主な感染症は、マラリア、デング熱、ジカウイルス感染症、日本脳炎、黄熱、チクングニア熱などがあります。長袖や長ズボンなどを着用して素肌を出すことを避けましょう。また、虫よけの製品を使用するのもよいでしょう。
ダニを介して感染する主な感染症は、クリミア・コンゴ出血熱、ダニ媒介脳炎などがあります。長袖や長ズボンなどの着用で素肌を出すことを避けたり、家畜との接触を避けたりしましょう。
また、鳥は鳥インフルエンザ、犬は狂犬病、ラクダは中東呼吸器症候群(MERS)などの感染症を引き起こすことがあるため、むやみに近づかないようにしましょう。
海外には、日本にはない感染症があります。旅行時には、時差や気候などの環境変化により、無自覚にストレスを受けている場合もあります。ストレスや疲れにより免疫力が低下し、病気にかかりやすくなってしまいます。
渡航先では、規則正しい生活を心掛け、次のようなことを意識しましょう。
日本では、あたりまえのように水道水の水が飲めて、レストランなども衛生を徹底しています。しかし、海外では衛生面が整っていない国が多く、渡航中に感染症を発症したり、帰国後に発症したりすることも少なくありません。
帰国後に発熱や咳、下痢、発疹などの症状が現れた場合は、渡航していたことを伝えて受診をしましょう。
また、海外へ渡航する前には事前に渡航先の地域で流行している感染症について調べておき、必要な予防接種を受けたり、渡航先の病院の情報や帰国後の健康管理をしっかりしましょう。
来月のテーマは、「運動不足 ~新しい生活様式~」です。