健康管理情報

感染症を予防するためにできること《臨時》 ~感染症~

2020年3月【臨時】
更新)
感染症

免疫力を高めて感染症を予防しよう

新型コロナウイルスによる肺炎感染が日本でも多数確認され、毎日のようにニュースになっています。 
主な感染経路は、現時点では飛沫感染(感染者の咳やくしゃみによる飛沫と一緒に放出されたウイルスを吸い込むことによる感染)、接触感染(感染者からのウイルスが付着した皮膚や、手すりなどの物体の表面を介しての感染)だと考えられています。

高齢者の方や基礎疾患のある方は感染症にかかると重症化しやすく、回復に時間がかかることや死に至る可能性もあります。
日常でできる正しい予防方法や免疫を高めるための食事のポイントなどを確認し、自身が感染しないためだけでなく、他の人に移さないようにできることから始めていきましょう。

感染症予防

 

すぐに始められる予防

正しい手の洗い方

手洗いの前に、爪は短く切り、腕時計や指輪などは外しておきましょう。

  1. 流水でよく手をぬらした後、石けんをつけ、手のひらをよくこする
  2. 手の甲をのばすようにこする
  3. 指先・爪の間を念入りにこする
  4. 指の間を洗う
  5. 親指と手のひらをねじり洗いする
  6. 手首も忘れずに洗う
  7. 石けんで洗い終わったら、十分に水で流し、清潔なタオルなどでよく拭き取って乾かす
正しい手洗い① 正しい手洗い②
正しい手洗い③ 正しい手洗い④
正しい手洗い⑤ 正しい手洗い⑥
正しいうがいのやり方
  1. 水を口に含み、少し強めに口の中をゆすいで吐き出す(2〜3回)。
  2. 水を口に含み、上を向いて15秒ほど、のどの奥でガラガラうがいする。(2回)
正しいうがい① 正しいうがい②

 

咳エチケットの基本

感染症の拡大を防ぐためにも、咳エチケットを守るように心掛けましょう。
※咳エチケットの詳細は、こちらもご確認ください。

マスクを着用

鼻と口を確実に覆い、隙間がないように装着します。同じマスクの使いまわしはせず、取り換えましょう。

    咳エチケット①
マスクがない場合
  • ティッシュ、ハンカチなどで口や鼻を覆う。
  • 口と鼻を覆ったティッシュは、すぐにゴミ箱に捨てる。
咳エチケット②
とっさの時
  • 他の人から顔をそらし、袖などを使って口と鼻を覆い周りの人にかからないようにする。
    くしゃみや咳の飛沫は、1~2m飛ぶと言われています。
  • くしゃみや咳などを手で抑えた場合は、ドアノブなど周囲の物にウイルスを付着させないよう、こまめに手洗いを行いましょう。
咳エチケット③

 

免疫力を高める食事のポイント

免疫は私たちの体を守ってくれる重要な仕組みです。 免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなるだけでなく、悪化するリスクも高まります。 免疫力の要となる免疫細胞の60~70%は腸にあるといわれています。つまり、腸内環境を良好に保つことが、免疫力の低下を防ぐことがポイントの一つになります。
腸内環境を整えるだけでなく、免疫細胞自体に働きかける食品を摂ることも必要です。
それでは、実際に免疫力を高めるためには、どういった食事をとればいいのでしょうか。

タンパク質を含む食品

タンパク質は、炭水化物や脂質と共にエネルギーをつくる栄養素のひとつです。筋肉・臓器・皮膚など、体を構成する成分であるほか、酵素や抗体など免疫に関わる構成成分としての役割も持つため、丈夫な体をつくるためには、毎日しっかりとることが重要です。

肉類/魚介類/卵/大豆製品 他

腸内環境を整える食品

人の腸内細菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌(善玉菌と悪玉菌の優勢な方に味方する)と大きく分けて3つの菌群で構成されています。その一つである善玉菌は、体に悪影響を及ぼす悪玉菌が増えるのを抑え、腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌による感染を予防する働きがあると言われています。

腸内の善玉菌の割合を増やす食品は2種類あります。

善玉菌を多く含む食品

ビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌を含む食品をとることで、腸内環境が整い、免疫細胞を活性化することができます。

ヨーグルト/乳酸菌飲料/発酵食品 他

善玉菌を増やす作用をする食品

食物繊維やオリゴ糖など、善玉菌のえさとなる成分を含んだ食品をとることで、善玉菌を増やすことができます。

野菜/果物/類/ごぼう/玉ねぎ 他

バランスの良い食事をとろう

エネルギー及び栄養バランスの取れた食事の基本は、主食・主菜・副菜が揃っていることです。

  • 【主食】ごはん・パン・麺など
    エネルギー源となる炭水化物(糖質)を多く含んでいます。
    ごはんに雑穀などを混ぜると、噛む回数も増え、糖の吸収を穏やかにする食物繊維の量も増やすことができます。
  • 【主菜】卵・肉・魚・大豆製品などを使ったおかず
    体の構成成分となるタンパク質を摂取することができ、丈夫な体づくりにつながります。
  • 【副菜】野菜・海藻・きのこなどを使ったおかず
    厚生労働省が推奨している1日の野菜摂取量は350gです。1食で約120gの野菜を目標にしましょう。
    目安は、生野菜なら「両手いっぱい」、加熱した野菜なら「片手にのる量」です。 毎食この量の野菜を摂ることが難しい場合は、野菜ジュースや青汁を飲むことで、不足しがちなビタミン・ミネラル・食物繊維を補給することができます。
  • 【汁物】
    汁物は塩分を多く摂りがちなので、具を多めにし、汁を少なめにするのがおすすめです。

 

その他:日常生活で気を付けること!

  • 規則正しい生活
    バランスのよい食事と十分な休息は、免疫力をアップさせます。日頃からストレスをためないように心がけることも大切です。
  • 体温を上げる
    運動や入浴の習慣をつけることで、体温が上がり免疫細胞が活性化しやすくなります。また、ウイルスや病原菌の多くは、体温が上がると増殖能力が低下すると考えられています。
  • 人ごみの多い場所を避ける
    大勢の人が行きかう場所は、感染リスクが高くなるのでなるべく控えましょう。 
  • 適度な湿度を保つ
    空気が乾燥していると、のどの防御機能が低下します。加湿器などを使用して、50~60%の湿度に保ちましょう。

 

感染症の予防は、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様に、咳エチケットや手洗いなど、一人ひとりの心がけ次第でかわってきます。免疫力を高めるための生活習慣の見直しなど、日常でできることから予防対策をしっかり行っていきましょう!

来月のテーマは、「デング熱 ~感染症~」です。