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花粉症皮膚炎 ~今話題の健康ワード!~

2019年9月
更新)
今話題の健康ワード!

花粉症というと、目のかゆみや鼻水、くしゃみなどが一般的な症状として知られていますが、最近では肌にも症状が出ることがわかってきています。これを花粉症皮膚炎といい、露出している首や顔を中心にかゆみや湿疹、乾燥、ヒリヒリした痛みなどの症状がみられます。これらの炎症が悪化してしまうと、肌のバリア機能が更に失われ、腫れや出血などがあらわれることがあります。
花粉症皮膚炎は、主にスギが飛散する春だけでなく、スギに加えブタクサ、ヨモギなどが飛散する秋も発症しやすいので、花粉症皮膚炎の予防には日頃のケアが大切です。

花粉症皮膚炎が起こるメカニズム

花粉症皮膚炎は、主に肌のバリア機能が低下したところに、花粉による刺激が加わってアレルギー症状を起こした状態といわれています。
皮膚の一番外側にある薄い層を角質層といい、この角質層は空気中の細菌やウイルス、花粉などが私たちのからだに入っていかないように、シャットアウトしています。
しかし、肌が乾燥すると角質層がめくれ、通常皮膚を通り抜けることができない大きさの花粉などの異物が体内に入ってしまい、アレルギー反応が起きるといわれています。
肌が乾燥気味な方やアトピー性皮膚炎の方は、肌のバリア機能が低下しているため特に注意が必要です。

花粉症皮膚炎の予防法

  • 肌の保湿
    乾燥は花粉症皮膚炎の大敵です。日頃から保湿剤などでスキンケアをし、室内では加湿器などを使って一定の湿度を保ち、肌を乾燥から守りましょう。スキンケアは、化粧水でたっぷり水分補給をしてからクリームなどで保湿をすると保湿力が高まりやすく、顔だけでなく首や耳など、普段のスキンケアでは見落としがちなところにもしっかりと塗りましょう。
  • 腸内環境の改善
    腸内環境を整えることでからだの免疫機能が整い、肌のバリア機能が回復しやすくなるといわれています。免疫機能を上げるためには腸内環境をよくすることが大切なので、食生活では乳酸菌や食物繊維を積極的に摂りましょう。
  • ストレス発散や睡眠
    免疫機能を高めるためには、腸内環境を整えるだけでなく、ストレスをためないことや良質な睡眠をとることも基本になります。38~40℃くらいのぬるめの入浴は、体に付いた花粉を落とすだけでなく、リラックス効果や睡眠の質を上げやすくなるため、おすすめです。
  • 花粉が飛んでいる時期は・・・
    花粉が飛んでいる時期には、外出時は眼鏡・マスク・帽子などの着用、帰宅後はすぐ洗顔をしたり、シャワーを浴びて花粉を落とすこと、室内では空気清浄機の使用などで、花粉との接触を少なくすることが重要です。また、肌の角質を守るために、過度の洗顔や化粧のクレンジングには注意しましょう。

花粉症皮膚炎の治療法

花粉症皮膚炎の治療として、抗アレルギー薬などによる花粉症そのものの治療と、湿疹には塗り薬が有効です。症状を繰り返すことがあるので、症状がおさまってからは保湿剤に変更し、角質による肌のバリア機能を保つためにしっかりと保湿を行うことが大切です。
また、予防法同様に、花粉にできるだけ接触しないように、マスクなどで花粉が直接皮膚に触れないようにしたり、肌に直接触れる服や下着、シーツなどは家の中で干すことも大切です。

来月のテーマは、「サルコペニア・フレイル ~今話題の健康ワード!~」です。