生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
新しい年度が始まり、これから健康診断を受ける方が多いのではないでしょうか。メタボや脂肪肝といわれたことはありませんか?
今回は、肝臓病の一種で、近年、注目されている「NAFLD・NASH」についてご紹介します。
脂肪肝とは肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態をいいますが、脂肪肝にはアルコールを多く摂ることによって起こるアルコール性と、アルコールを多くとらないにも関わらず脂肪肝になってしまう非アルコール性があります。非アルコール性の脂肪肝を「非アルコール性脂肪性肝疾患:NAFLD(ナッフルディー)」といいます。
NAFLDはアルコール以外のメタボリックシンドロームや薬剤などさまざまな原因で起こる脂肪肝の総称です。ただし、アルコールを全く摂らないということではありません。そして、ほとんどの場合、メタボリックシンドロームも伴っているといわれています。
NAFLDは、ほとんど進行しない単純な脂肪肝である「非アルコール性脂肪肝:NAFL(ナッフル)」と、脂肪肝が悪化して肝硬変や肝がんを発症してしまうことがある「非アルコール性脂肪肝炎:NASH(ナッシュ)」に分類されます。
これまでは肝がんの原因のほとんどは肝炎ウィルスの感染によるものが占めていましたが、近年では、肝炎ウィルス以外の肝がんが増加傾向にあり、「NASH」の増加によるものと考えられ注目されています。
NAFLDは、男女ともに中年期以降になると多くなり、さらに、メタボリックシンドロームがあると発症しやすいといわれています。現在メタボリックシンドロームの人は、特にウエスト周囲の増大は要注意で、NAFLDのなかでもNASHの可能性が高くなります。
BMIが25以上、ウエスト周囲が男性85㎝以上、女性90㎝以上になっていませんか?
脂肪肝は、症状がほとんどありません。脂肪肝が進行してNASHになってもかなり病気が進まないと自覚症状が出ないことがほとんどです。NASHが肝硬変まで進むと、体のだるさ、黄疸、むくみ、お腹の張りなどが現れてきます。
来月のテーマは、「喫煙 ~今話題の健康ワード!~」です。