健康管理情報

アレルギー ~今話題の健康ワード!~

2019年2月
更新)
今話題の健康ワード!

今回は、これまで知られていなかった食物アレルギーの原因と、これからシーズンとなる花粉症の最新治療についてご紹介します。

食物アレルギーは皮膚から

食物アレルギーは、鶏卵、牛乳、小麦、ピーナッツ、果物などの食品によって、蕁麻疹、目の腫れ、息苦しさ、腹痛などの症状が引き起こされます。時には急激なアレルギー反応によって呼吸困難や意識障害などの「アナフィラキシー」という危険な状態になることもあります。

最近の研究では、食べ物に触れることが原因の一つであるということが分かり、特に皮膚が荒れていると、そのリスクが高まるといわれています。

これは、皮膚が荒れている状態で食べ物に長い間触れていたことにより、皮膚から食べ物のかけらが体内に入り、それを免疫細胞が異物とみなして記憶することがあるのです。
よって異物とみなされた食品が、今度は口から入ってきたときも、アレルギー症状が出るようになります。例えば、食品を扱う仕事をしている方や、食べ物を顔に張ってパックする場合などで起こりやすいと考えられます。

治療

緑黄色野菜や果物、海藻類には、ミネラルと食物繊維が豊富に含まれています。
果物は糖質も多いため取り過ぎに気を付けましょう。

予防

皮膚の保湿をしっかりと行い、荒れないようにすると予防できると期待されています。皮膚から食べ物が入ることを減らすために、こまめに掃除をしましょう

花粉症の最新治療

今年の冬は例年よりも花粉が多く飛ぶ予側が出ていますので、花粉症の方は、すでに花粉症対策を始めていらっしゃるのではないでしょうか。

花粉症は、大気中に飛散したスギなどの花粉を吸いこんだときや粘膜に付着したときに起こるアレルギー反応です。花粉症を起こす花粉には60種類以上あるといわれ、冬から春にかけてのスギ・ヒノキ科、春から秋にかけてのイネ科、秋から冬にかけてのキク科のブタクサなどがあります。

治療

抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬、ステロイド薬の投与が一般的です。最近の研究で、鼻から投与する鼻噴霧用ステロイドは発症直後の治療として使用すると、症状が悪化しないとの報告があります。

その他の治療

舌下免疫療法・・・アレルゲンのスギ花粉を年単位で投与して、体を慣らし症状が出ないようにする治療です。花粉症の根本的な治療として期待されています。花粉が飛散している時は治療ができないので、花粉の飛散が終わった6月以降から始めるとよいとされています。治療を行う際は、医療機関に受診しましょう。副作用として、一時的に口の中の腫れや喉の痒み、口内炎などの症状が現れますので注意しましょう。
レーザー治療・・・鼻の粘膜をレーザーで焼くことによって、アレルギーを起こす範囲を減らし症状を抑える治療です。完全に治す治療ではないので再発することもあります。花粉が飛散する1か月前までに行う治療です。

花粉症と口内アレルギー症候群

花粉症の方の中には、果物や野菜を食べると、唇が腫れたり、口の中や喉の痒みやイガイガする方がいます。これは口内アレルギー症候群と呼ばれ、花粉症の方の10人に1人は発症しているといわれています。
口内アレルギー症候群とは、果物や野菜に含まれるアレルゲンが、花粉のアレルゲンと似た構造をもっていることによって、免疫機能が花粉と勘違いをしてアレルギー反応を引き起こしてしまいます(交差反応性)。代表的なものは、スギ・ヒノキ花粉とトマトです。

-表1 主な花粉と交差反応性が証明されている果物・野菜など-

花 粉 果物・野菜など
カバノキ科
シラカンバ
ハンノキ
オオバヤシャブシ
バラ科(リンゴ、西洋ナシ、サクランボ、モモ、スモモ、アンズ、アーモンド)
セリ科(セロリ、ニンジン)
ナス科(ジャガイモ)、マメ科(大豆、ピーナッツ)
マタタビ科(キウイフルーツ)
カバノキ科(ヘーゼルナッツ)
ウルシ科(マンゴー)
シシトウガラシ など
ヒノキ科 スギ ナス科(トマト)
イネ科 ウリ科(メロン、スイカ)
ナス科(トマト、ジャガイモ)
マタタビ科(キウイフルーツ)
ミカン科(オレンジ)
マメ科(ピーナッツ) など
キク科 ヨモギ セリ科(セロリ、ニンジン)
ウルシ科(マンゴー)
スパイス など
キク科 ブタクサ ウリ科(メロン、スイカ、カンタローブ、ズッキーニ、キュウリ)
バショウ科(バナナ) など

食物アレルギー診療ガイドライン2016

果物や野菜のアレルゲンは消化酵素に弱く、胃や腸の消化管で容易に分解されるので、口や粘膜などの直接接した部分にだけ症状がでます。
口内アレルギー症候群への対応も、アレルギーの食品を食べないことが重要です。重症化した場合は医療機関を受診しましょう。

 

2月のおすすめ食材 ※食材にアレルギーのある方は摂らないようご注意ください。

  • みかんなどの柑橘類

    柑橘類の果皮に含まれる「ノビチレン」と、牛乳のタンパク質の主成分「β-ラクトグロブリン」には、花粉症などのアレルギーを和らげる働きがあります。柑橘類と牛乳を同時に取ることで効果が高まります。

  • 納豆・ヨーグルトなどの発酵食品

    発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が豊富に含まれています。腸内で善玉菌が増えることで免疫力のバランスを整え、アレルギー症状を和らげる働きをするだけでなく、体に有害な添加物など不純物の排泄を促してくれます。

  • チョコレート

    ポリフェノールは細胞の老化を防ぐ抗酸化作用が高い成分です。細胞の老化を防ぐことで、免疫力のバランスを整えアレルギー症状を和らげる働きがあります。

来月のテーマは、「ゲーム依存症 ~今話題の健康ワード!~」です。