生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
DASH食とは、高血圧の食事療法として注目されている
Dietary Approaches to Stop Hypertension (高血圧を防ぐ食事方法)
の略語で、心筋梗塞や心疾患で亡くなるひとが多いアメリカで調査・研究され、高血圧の改善に高い効果があると認められています。
日本とアメリカでは、食文化の違いはありますが、高カロリー・高脂肪になりがちな食環境は似通っており、日本人への有効性も指摘されています。
日本高血圧学会は1日6g未満の塩分摂取量を推奨していますが、厚生労働省の調査によると、日本人の1日の平均の食塩摂取量は約10gであるといわれていり、食塩摂取量が多い日本人は、減塩とDASH食を組み合わせた食事療法を行うことが大切です。
DASH食の特徴は、食品の組み合わせを改善するということです。簡単に言えば、「今より体に良い食品を増やし、良くない食品を減らす」というのが、DASH食の実践法となります。
DASH食で増やす栄養素は、主にカリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、タンパク質です。一方、減らす栄養素は、飽和脂肪酸とコレステロールになります。
良くない食品をただ減らしていくだけではストレスが多く、長く続けることはできません。減らす分、良い食品を増やしていけば食事のストレスを軽減することもできます。
カリウムは、体内でナトリウムが増えると、尿での排出を促し血圧を下げます。
・多く含む食品:野菜や果物、いも類、きのこ類、海藻類など
カルシウムは、マグネシウムや食物繊維と一緒に取ることで相乗効果が生まれ、血圧が下がると考えられています。 カルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンやプロビタミンDが分泌されるため、心臓や血管が収縮して血圧が上昇してしまいます。
・多く含む食品:牛乳・乳製品、大豆製品、小松菜など
マグネシウムはカルシウムの働きをバランスよく調整し、必要以上の血管収縮を抑えたり、血管の拡張を促します。
・多く含む食品:種実類(アーモンドやピーナッツ)、玄米などの穀類、豆類(特み大豆製品)など
食物繊維は余分な糖質や脂質、コレステロールなどの排出を促す働きがあり、動脈硬化予防におすすめです。
・多く含む食品:海藻や果物、穀類、豆類、野菜、きのこ類
タンパク質は血管を丈夫に保つための大切な栄養素です。不足してしまうと血管の弾力が失われ動脈硬化が進み、血圧上昇へとつながってしまいます。 脂質の少ない良質なタンパク質源の食品を選び取るように心がけましょう。
・多く含む食品:魚類(赤身)、肉類(赤身)、大豆類、卵類、乳製品など
緑黄色野菜や果物、海藻類には、ミネラルと食物繊維が豊富に含まれています。
果物は糖質も多いため取り過ぎに気を付けましょう。
アーモンドなどの種実類には、マグネシウムが豊富に含まれています。
カルシウム不足にならないように、積極的に取りましょう。低脂肪のものを選ぶことがおすすめです。
不飽和脂肪酸が豊富に含まれるため、血栓予防におすすめです。
良質なタンパク質源となるほか、食物繊維が豊富に含まれています。
来月のテーマは、「アレルギー ~今話題の健康ワード!~」です。