生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
気温や湿度が高い夏に食中毒は多くなりますが、9月も食中毒が多く発生しています。近年、酷暑が続いている影響などで、9月に入っても夏バテを引きずり、体力の低下する人が多くみられます。秋に入ると、気温は低下しその温度差に体がうまく適応できず、体調を崩したり免疫力が低下することなどによって、食中毒に罹りやすくなります。
食中毒とは、食中毒を起こすもととなる細菌やウイルス、有毒な物質が含まれる食べ物を食べた結果、下痢や腹痛、発熱、吐き気などの症状が生じることを指します。
細菌による食中毒にかかる人が多いのは、気温が高く細菌が育ちやすい6月から9月頃です。食中毒を起こす細菌は、土の中や水、ヒトや動物の皮膚や腸の中にも存在しているため、細菌がいるからといって食中毒の症状が必ず出るわけではありません。細菌が増殖した状態、あるいは増殖に伴って多くの毒素が産生された状態の食品を食べることが発症につながります。また、細菌を含む食品を食べた後、腸内で増殖することにより発症するタイプもあります。
食中毒を起こす細菌やウイルスが食品に付いてしまったかどうかは、見ただけではわからないし、味やにおいもわかりません。
細菌を「つけない」「増やさない」「殺す」の3つが原則です。
手にはさまざまな雑菌が付着しています。調理や食事の前、残った食品を扱う前には十分に手を洗いましょう。まな板などの調理道具も、しっかり洗浄してください。残った生肉の保管は密閉容器かラップを使用し、菌が他の食品につかないようにしましょう。
細菌の多くは高温多湿になると増殖が活発化します。しかし、10℃以下になると増殖のスピードは遅くなり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。食べ物に付着した菌を増やさないためには、冷蔵庫を活用して、低温で保存することが重要です。
ほとんどの食中毒菌は加熱によって死滅します。肉や魚、野菜なども加熱すれば安全です。特に肉料理は中心部までよく加熱してください。また、包丁やまな板などの調理道具も洗浄後に熱湯で殺菌することを心がけましょう。
この時期は夏の疲れが溜まり、免疫力が下がりやすくなります。栄養素バランスの取れた食事を心掛け、休息や睡眠をしっかり取りましょう。また自律神経のバランスの乱れによって腸内環境が悪化して免疫力も低下してしまいがちです。アロマやマッサージ、入浴などで体をリラックスさせて自律神経のバランスを整えることも大切です。
納豆菌や食物繊維が豊富に含まれているため、乳酸菌などの善玉菌の増殖を促し、腸内環境を整えて免疫力の低下を防ぎます。また、納豆菌には抗菌活性の働きがあり、食中毒を起こす有害菌の増殖などを抑える働きがあります。
レンチナン(β-グルカン)と呼ばれる食物繊維の一種が含まれており、腸内細菌を元気にするだけでなく、リンパ球やNK(ナチュラルキラー)細胞などの免疫細胞を活性化させて免疫力を上げることができます。
椎茸 ……4枚
納豆 ……2パック
玉ねぎ ……10g
しょうゆ ……小さじ1
からし ……適量
椎茸を網で焼いて薄切りにする。
薄切りにした玉ねぎ、しょうゆとからしで味付けした納豆を和えたらできあがり ♪
来月のテーマは、「喘息 ~季節の健康~」です。