生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
猛暑の8月は、沢山の汗をかくことで、体内の水分量が減少しやすい時期です。こうした時期に発症しやすい疾患の一つに「尿管結石」があり、気温の上昇と共に増える傾向があります。
夏期は、他の時期に比べて特に多く結石発作が起こるといわれています。
腎臓でできた結石が、尿管に詰まってしまったものを尿管結石といいます。泌尿器系にできる結石のうち約9割は、上部の腎結石と尿管結石が占め、その約半数以上が再発を繰り返しています。
腎臓にあるうちはあまり痛みを感じませんが、結石が尿管に出て途中で詰まってしまうと、激しい痛みに襲われます。
結石の成分は、8~9割がカルシウムです。その中でもシュウ酸とカルシウムが結合し、シュウ酸カルシウムになった結石が、特に多いといわれています。
また、男性の約7人に1人、女性の約15人に1人が、一度は経験するといわれています。女性に少ないのは、女性ホルモンのエストロゲンが、結石の結晶化・成長を抑制する物質と結びついて働いているからです。
腎臓でできた結石が、尿管に詰まってしまったものを尿管結石といいます。泌尿器系にできる結石のうち約9割は、上部の腎結石と尿管結石が占め、その約半数以上が再発を繰り返しています。
腎臓にあるうちはあまり痛みを感じませんが、結石が尿管に出て途中で詰まってしまうと、激しい痛みに襲われます。
泌尿器系にできる結石は、糖尿病、高血圧、痛風、脂質異常症などの生活習慣病の人に多いことも分かっており、男性の結石患者のうち約4割は肥満であるという報告があります。それは食生活の欧米化が理由といわれ、動物性脂肪の多い食事が続くと、カルシウムやシュウ酸が尿へ溶け出す量が増え、結石ができやすくなります。
また、尿は本来弱酸性ですが、こうした食事によって酸性に傾くことも影響しています。
そのため、食生活を中心とした生活習慣を改善することが、発症または再発予防には大切です。
シュウ酸が含まれていない食品はほとんどないといわれるほど、シュウ酸はあらゆる食品に含まれています。そこで、シュウ酸を尿中へ溶け出さないようにするには、カルシウムを多く含む食品を取ることが大切です。カルシウム結石なのにカルシウムを取るなんてと、矛盾を感じる方もいらっしゃると思います。その理由は、胃腸の中のシュウ酸とカルシウムがくっついて便と一緒に出ることで、尿中に溶け出す量が減り、結石ができにくくなるからです。
日頃からカルシウムをしっかりと摂ることが大切です。1日600~800㎎を取るように心がけましょう。(例えば牛乳100ml中に約100mgのカルシウムが含まれています。)
さらに、シュウ酸は水溶性なので、シュウ酸を含む野菜(ほうれん草など)は、茹でることによって減らすことができます。
食事以外でも、水分を積極的に取ることも大切です。夏は汗をかきますので、脱水傾向にならないよう心掛けましょう。ただし、シュウ酸を多く含んでいる紅茶、コーヒー、抹茶など、またプリン体を多く含むアルコールなどは、高尿酸血症が結石を誘発しやすく、取りすぎには注意が必要です。
モロヘイヤのカルシウム含有量は、ほうれん草の約5倍、牛乳の約2倍もあります。また、カルシウムを骨に定着させるビタミンKも豊富です。食べるだけで骨粗鬆症対策も出来ます。
大葉もカルシウムを多く含有しています。また、大葉の香りの元となっているシソアルデヒドは、抗菌作用があるため食中毒を防ぎ胃腸の調子を整えてくれるほか、ストレスによる体の不調にも効果的です。 大葉は「紫蘇葉」として漢方薬の「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」にも配合され、東洋医学の考え方では、気の流れを良くする薬に分類されます。
バジルもカルシウムやビタミンKを多く含有し、そのままでも香辛料でも栄養素を取ることができます。暑さで食欲がないときは、お料理にバジルの香辛料を使って味だけでなく香りも加えてみてください。
絹豆腐 (水切りをしておきます) ……1丁
モロヘイヤ (葉の部分を使います) ……1束
大葉 ……5~6枚
しょうゆ ……適量
モロヘイヤの葉の部分をたっぷりのお湯で2分ほど茹でます。
ゆであがったら水にさらして熱を取り、水気を切ります。
豆腐を崩しながらモロヘイヤと混ぜ合わせます。
刻んだ大葉をのせて醤油をかけて出来上がりです♪
来月のテーマは、「食中毒 ~季節の健康~」です。