生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
9月は、白露(はくろ)と秋分の2つの節季があり、徐々に涼しくなって陽盛から陰盛に変わる時期です。この季節の変化に体が順応できないと、精神的な症状などが現れやすくなります。体の内側から陰陽のバランスを保つためにも陰気を養うようにしましょう。
また、この時期は残暑の影響で発汗とともに水分などが失われているため、意識して水分補給を行うようにしましょう。
9月は、「陰」「気」を補うようにしましょう。「陰」は、体に必要な血液や体液、栄養などをいい、不足すると(陰虚)体を潤す働きが弱くなり、喉の渇きや精神不安、肌の乾燥などの症状が現れやすくなります。そのため、潤いの性質をもつ食べ物を取るように心掛けることが大切です。
また、気分が落ち込むこの季節は、「気」の流れが悪くなる傾向にあります。「気」が不足すると(気虚)、疲れやすく、風邪を引きやすいなどの症状が現れやすくなるため、胃腸の消化吸収能力を高め、食事から効率よく栄養素を吸収できるようにすることが大切です。
山芋は、体を潤す働きがあるため、「陰虚」の方に適しています。また、肺を潤すため咳や喘息などの症状を緩和する作用があります。 そのほか、食物繊維が多く便秘の改善につながったり、消化酵素のアミラーゼを含むため糖質の消化を促してくれるなど、胃腸の働きを助ける作用をもちます。
さんまは、エネルギーの元である「気」を補う作用があるため、「気虚」による虚弱体質の方に適しています。また、消化吸収を担う「脾」の働きを助ける作用があるため、消化機能を高める傾向にあります。 さんまに含まれる脂質は、DHAやEPAが豊富です。そのため、血中コレステロールなどの増加を抑制し、脳の活性化を維持する働きがあります。しかし、焼くと溶けてゼラチンになり、脂とともに落ちる傾向にあるため、汁物にするのがオススメです。
山芋 ……50cc
さんま ……3尾
生姜 ……小さじ1
長ねぎ ……1/2本
昆布だし汁 ……800cc
味噌 ……大さじ2
山芋はすりおろし、3枚下ろしにしたさんま、生姜、みじん切りにした長ねぎと混ぜる
鍋に昆布だし汁を入れて、3分ほど煮たら、つみれを入れる
つみれが浮き上がってきたら、2.に味噌を溶き入れる
器に盛り付けて三つ葉を添えれば出来上がり♪
来月のテーマは、「10月の食養生 ~月々の食養生~」です。