生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
4月は、清明と穀雨の二つの節気があり、だんだんと暖かくなっていきますが、寒さがまだ残っていて、雨が降ることも多い季節です。また、新しいスタートを切る始まりの月でもあります。生活の変化もあり、心身共に不安定になりやすい時期です。新陳代謝を活発にさせて、生命力の強い食材を取ることで、体力を増強したり、イライラや落ち込みを緩和する食材を取るように心掛けましょう。
春の養生の基本は、五臓の「肝」の機能を高めることです。「肝」の主な機能には新陳代謝を促すことや解毒などがあります。冬の間に代謝が落ちて体に溜まった余分な物を取り除くため、旬の野菜を取り合わせて「肝」の養生に努めましょう。また、自然の中に出かけるなど体を動かし、軽やかな体にすることが大切です。
セロリは香りが強く、「気」を巡らせる作用があるため、代謝や解毒を司る「肝」の働きを助けます。涼性で、体の熱を取る働きもあるため、ストレスによって「気」が滞って起こる頭痛やめまいの改善や、のぼせを伴う血圧の上昇を抑えることが期待できます。 また、「水(津液)」が滞っている体質の改善にも効果があるため、むくみや下痢の症状があるときにも勧められます。香りには精神安定作用があり、不安や緊張を和らげます。
鶏肉は、春の養生に必要な「気」と「血」を養う食材です。「肝」の働きを助けるため、春に鶏肉を食べるとよいとされています。「脾」や「胃」の働きを助け、胃腸を温める作用もあるため、胃腸が弱い人や高齢者などの滋養強壮におすすめです。胃腸の蠕動運動を良くして、消化酵素の分泌を促して消化不良を改善させるほか、頻尿の改善も期待できます。 また、ビタミンAやコラーゲンが含まれているため、風邪や花粉症、冬の乾燥で荒れたり弱くなりがちな粘膜や皮膚を強くします。
鶏胸ひき肉 ……100g
玉ねぎ(すりおろし) ……大さじ1
セロリ ……1/2本
しょうが(薄切り) ……3,4枚
酒 ……大さじ1
塩・こしょう ……少々
ボウルに鶏胸ひき肉、酒大さじ1、塩少々を入れて粘りが出るまでよく混ぜる。
すりおろした玉ねぎと、こしょう少々も加え、さらによく混ぜ合わせる。
セロリは茎と葉に分け、茎は斜め薄切り、葉はザク切りにする。
鍋に水と薄切りしたしょうがを入れて火にかけ、沸騰したら弱火で5分間程煮る。
セロリの茎を加えてひと煮たちさせ、1の肉ダネを小さじですくって団子にして湯に落とす。
肉団子が浮き上がってきたら2~3分間煮て、塩・こしょうで味を調える。
セロリの葉を加え、ひと混ぜして火を止めたら出来上がり♪
来月のテーマは、「5月の食養生 ~月々の食養生~」です。