生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
3月は、啓蟄(けいちつ)と春分の二つの節気があり、寒さの中に春の気配を感じるようになります。この時期は、冬の間に代謝が落ちて「気・血・水」の巡りが遅くなったことで、体に老廃物がたまっている傾向にあります。そのため、代謝を促進するものをとるようにしましょう。
3月は、「肝」の機能を高める食材をとるようにしましょう。肝は、血液の貯蔵庫であり、体の中に栄養素を送り、老廃物を集めて取り除く、という新陳代謝のコントロール機能を担っています。また、肝は、「気」を動かす原動力ともいわれています。気が巡ることで、「血」「水」」がスムーズに巡るようになります。
肝の機能が弱まると、血液の流れや新陳代謝が滞り、めまいや不眠、情緒不安定などの症状を引き起こしてしまいます。そのため、肝の働きを助ける食材を食べることが大切です。特に、旬の山菜が持つ独特の苦み成分は、肝の機能を高め新陳代謝を促進してくれます。
うどは、体を温める作用があり、関節痛や神経痛、筋肉痛の緩和につながります。日本では、茎の部分が食べられていますが、薬効が強いのは根です。うどの根は、漢方薬では「独活(どっかつ)」と称し、古くから使われています。 うどの苦み成分であるアスパラギン酸は、新陳代謝促進や疲労回復、滋養強壮の働きがあります。また、うどの香りは、α-ピネンやβ-ピネン、サビネンなどの成分を混在したもので、「気」を巡らせ、細胞の活性化や気分の安定化の作用があります。
帆立は、「肝」の働きを補って運動機能を高めると考えられているため、滋養強壮や老化防止の作用があります。また、体を潤して「腎」を良くし、「胃」の不調を改善しお腹の調子を整える働きがあります。 帆立は、脂質が少なく、タンパク質が多いのが特徴です。帆立に含まれる代表的なタンパク質は、タウリンです。タウリンは、肝機能の強化や血中コレステロールの改善、血圧の正常化などの働きがあります。
うど ……1本
水 ……2カップ
酢 ……小さじ1
帆立 ……6個
酒(帆立用) ……1/2カップ
だし汁 ……2カップ
酒 ……大さじ1
塩 ……少々
醤油 ……小さじ1/2
みつば ……4本
うどは、2mm程度の厚さに輪切りにして酢水にさらす
帆立をサッと洗い、水けを拭き取ったら酒をふりかける
鍋にだしを入れて火にかけ、沸騰したら、うど、帆立、酒を加える
3.が再沸騰したら、塩と醤油を加えて味を整える
器によそい、みつばを添えたら、出来上がり♪
来月のテーマは、「4月の食養生 ~月々の食養生~」です。