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鳥取 ~日本の郷土料理~

2015年9月号
更新)
日本の郷土料理

中国地方である鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県の5県は、瀬戸内の自然の景観が残る山陽地方と日本海の自然の景観が残る山陰地方に大きく2つに分けられ、鳥取県は山陰地方の東側を占めています。鳥取県は県全域が日本海側気候で、春や秋は好天の日が多く、比較的温暖です。しかし、冬は一転曇りや雨、雪の日が多く、鳥取市付近は積雪が多く、大山周辺の内陸山間部は山陰地方一の豪雪地帯でもあります。
鳥取県は、海と山に囲まれた自然豊かな県であり、日本最大級の鳥取砂丘や「山陰の松島」と呼ばれる浦富(うらどめ)海岸、中国地方最高峰の大山(だいせん)は、山陰の美しく壮大な自然の景観を誇り、観光スポットとしても人気です。
県の花は「二十世紀梨の花」です。梨は鳥取県全域で栽培されており、春になると梨畑は白い花で埋めつくされ、梨の花は県民に広く愛され親しまれている花です。

 

名所

鳥取砂丘

鳥取砂丘は、南北2.4km、東西16kmに広がる日本最大級の海岸砂丘です。そのはじまりは中国山地の岩石が風化して砂となったものです。川から日本海に運ばれ海底に積もった砂が潮流の流れで海岸線に溜まり、それを風が内陸に運んだものが何万年もの長い歳月をかけて現在の鳥取砂丘を形成しています。
鳥取砂丘では、起伏に富んだ地形や風紋(海から吹く風によって描かれる砂の文様)の砂と風が織り成す壮大な自然美が堪能できます。また、鳥取砂丘では、爽快な海からの風を受けながら遊ぶサンドボードなどの砂丘レジャーやラクダに乗っての砂丘遊覧も人気があり、楽しめます。

特産品

鳥取砂丘らっきょう

らっきょうは、ユリ科の植物で平安時代に薬用として、江戸時代には野菜として栽培されました。生命力が強いため、砂地、赤土、痩せた土壌でも育つことから、鳥取県では東部・中部の砂丘地で栽培され、特に鳥取砂丘に隣接する福部村は全国屈指の産地として有名です。
鳥取砂丘でつくられるらっきょうは、夏には砂地の表面温度は60~70℃になり、冬には一面が雪に覆われ、常に日本海からの風が吹きつけられる厳しい環境の中で栽培されます。鳥取砂丘らっきょうは、厳しい環境のなかで育つことで、身がしまってシャキシャキとした歯ごたえがあります。また、透き通るような白い色が大きな特徴です。

郷土料理

大山(だいせん)おこわ

大山は鳥取県にある標高1,729mの火山で、鳥取県および中国地方の最高峰です。「日本名峰ランキング」においては富士山、槍ヶ岳(やりがたけ)に続きベスト3に入るほどの登山の愛好家に人気があります。
大山おこわとは、大山周辺で祭りや季節行事などで食べられてきた郷土料理であり、もち米に、しいたけ、ごぼう、栗、こんにゃく、油揚げ、鶏肉などを混ぜて、だし汁、酒、砂糖、しょうゆなどで味付けをしたおこわのことです。
大山おこわの発祥は、大山が古来より、修道者の道場であったため、山菜を主にした精進料理が発達した説や農作業の際の弁当だった説があります。

モサエビ料理

鳥取県では、クロザコエビのことを「モサエビ」や「ドロエビ」と呼び、9月から翌年の5月にかけて沖合底びき網漁で水揚げされます。鮮度落ちが早いため、昔は船上で漁師の方だけで食べられてきました。遠隔地への出荷が難しく、県外に出回らないことから「幻のエビ」とも呼ばれています。
弾力のある食感と甘エビ以上に甘みを堪能できることから、刺身はもちろん、焼き物、煮物、味噌汁などいろいろな料理があります。鳥取県では春祭りのご馳走として新鮮なお造りとして登場します。

来月のテーマは、「徳島県 ~日本の郷土料理~」です。