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神奈川 ~日本の郷土料理~

2014年10月号
更新)
日本の郷土料理

神奈川県は、日本列島のほぼ中央、関東地方の南西部に位置します。北は東京都、西は山梨県と静岡県に隣接しています。また、南は相模湾、東は東京湾にそれぞれ面しています。

神奈川県のほぼ全域が太平洋気候に属し、年間を通して温暖で雨量が多く、四季の変化がはっきりしています。

神奈川県は東京都に次ぐ都道府県別の全国第2位の人口を要する大都市圏でありながら、海や山に囲まれた自然環境を併せ持ちます。また、異国情緒あふれる港町である横浜、日本有数の箱根・湯河原といった温泉地帯、歴史ある武家の古都鎌倉などがあり、観光資源にも恵まれています。

県の花は「ヤマユリ」です。日本特産の「ユリ」で、山中に自生することから「ヤマユリ」と呼ばれます。甘く強い芳香を放ち、優美で白い大きな花を咲かせます。

 

名所

鎌倉・長谷寺

長谷寺は神奈川県鎌倉市長谷にある浄土宗系統の単立寺院です。創建は奈良時代初期の736年(天平8年)といわれ、鎌倉でも有数の古寺です。梅、紫陽花(あじさい)、花菖蒲(はなしょうぶ)などの四季折々の草花が咲く花寺としても知られ、秋には紅葉のライトアップもされます。

また、長谷寺の境内には見晴らし台が設けられ、相模湾や長谷の町並み、三浦半島まで望むことができます。

特産品

小田原のかまぼこ

小田原は昔から相模湾西部の漁業の中心地として栄え、海の幸に恵まれてきました。

小田原のかまぼこは、タンパク質豊富で白さとしなやかな弾力があるのが特徴であり、良質な箱根からの水と新鮮な相模湾の魚に恵まれ、小田原を通って箱根を越える湯治客や旅人のために江戸後期に保存食として発展してつくられるようになりました。

小田原は東海道の要所を占める城下町でもあったため、参勤交代で従来する武士に賞味され、味や品質も改良されていき全国に広まったのです。

郷土料理

生シラス丼

シラスは、イワシ類の稚魚で相模湾周辺地域の特産品です。相模湾で獲れるシラスは「湘南シラス」とも呼ばれ、地元の人だけでなく江ノ島に訪れる観光客の間でも人気があります。

シラスは、カルシウムやビタミンも多く含まれているため、栄養面でも優れた食材であり、天日干し、釜揚げ、揚げ物などさまざまな料理法があります。

中でも、旬である3~5月に獲れる「春シラス」は脂が乗っていて美味しいといわれ、シラスは鮮度が落ちやすいため新鮮な取れたての透明なシラスをそのまま食べる「生シラス」を食することは貴重でお勧めです。

水揚げされたばかりの生シラスを温かいご飯に乗せて、その上に生卵をかけて食べる「生シラス丼」はプリプリ、ツルツルとした触感をご飯とともに楽しむことができます。

けんちん汁

けんちん汁は神奈川県の郷土料理です。けんちん汁の名前の由来には諸説ありますが、神奈川県鎌倉市にある健長寺(けんちょうじ)の修行僧が料理として使用するはずの豆腐を落として形が崩れて困っていると、健長寺を開山した蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)がその崩れた豆腐と野菜を煮込んで美味しい汁をつくったことから、健長寺でつくられた「健長汁」がなまって「けんちん汁」となって一般家庭に広まったといわれています。

けんちん汁の調理方法は、大根、にんじん、長ネギ、ごぼう、里芋、豆腐、こんにゃくなどを細切りにしてごま油で炒め、火が通ったら出汁(昆布やしいたけ)を加えて煮込み、最後の仕上げにしょうゆ、酒、塩で味を調えたらできあがりです。

来月のテーマは、「新潟県 ~日本の郷土料理~」です。