生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
愛知県は、太平洋に面する東海地方に属する県の1つであり、気候は四季を通じて温暖です。日本列島のほぼ中央に位置し、国際空港や高速道路、港湾などの交通基盤が高度に整備されていることから国内だけでなく、海外へ行くにもアクセスが良く、陸・海・空の 交通・物流の拠点となっています。
また、1977年以来35年以上連続して製造品出荷額が全国1位であり、県内総生産における製造業のシェアの高さから、愛知県は「モノづくり県」ともいわれ、トヨタ自動車をはじめとした自動車産業、航空宇宙などの先端産業、繊維などの伝統産業などの産業が盛んです。
戦国時代には、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の三英傑(さんえいけつ)をはじめ多くの武将を輩出し、三英傑を主役とした祭である「名古屋まつり」が毎年秋に行われています。
県の花は「カキツバタ」です。カキツバタは、湿地に群生し、5月上旬から中旬の時期に満開になり、紫色の綺麗な花を咲かせます。
国宝・犬山城は、兵庫県の姫路城、滋賀県の彦根城、長野県の松本城とともに国宝の天守閣を持つ城として「国宝4城」の1つに数えられます。
1537年(天文6年)、織田信長の叔父・織田信康が築城し、現存する日本の城の中では最古の天守閣を持つといわれています。また、木曽川沿いの高台に建つことから別名「白帝城(はくていじょう)」とも呼ばれ、天守閣から広大な濃尾平野(のうびへいや)(愛知県西部から岐阜県南西部に広がる平野)が一望できます。桜の美しさでも知られ、春には全国から観光客が訪れます。
江戸時代初期、徳川家康が生誕した城である岡山城から西へ八丁(約870m)離れた岡崎市八帖町(はっちょうちょう)(旧:八丁村)で味噌がつくられたことから「八丁味噌」と呼ばれるようになりました。岡崎市八帖町(旧:八丁村)は、矢作川と旧東海道の交通の要所にあり、味噌の原材料となる塩が入手しやすく、良質な大豆が取れ、気候風土が味噌づくりに適していたことから独特の風味豊かな八丁味噌がつくられました。
米味噌や麦味噌の熟成期間は1年以内ですが、八丁味噌は約2年と長く熟成するため、味噌の色は濃褐色で水分が少なく固くなります。水分が少ない八丁味噌は保存性が高く、三河武士(みかわぶし)(徳川家康に仕えて、江戸幕府創業に貢献した譜代の三河出身の家臣の総称)の兵食として使用されました。
愛知県の特産品である八丁味噌や昆布・かつお節で取っただしを併せた特製汁を土鍋に張って、手打ちうどん(小麦粉と水だけでつくられる固くて太い麺)、鶏肉、油揚げ、卵、白ねぎ、白菜、かまぼこなどのお好みの具を入れて煮込む料理です。
また、戦国時代に武田信玄の軍の兵食として「ほうとう」が食べられていましたが、武田家が徳川家に滅ぼされた後に徳川家に仕えた武田家の遺臣から徳川家に伝えられ、山梨県のほうとうが愛知県の味噌煮込みうどんの起源となったといわれています。
ひつまぶしは、うなぎの蒲焼を細かく刻んでおひつのご飯の上に敷き詰めたものです。名前の由来は諸説ありますが、おひつにまぶすことから「ひつまぶし」ともいわれています。三通りの食べ方(一膳目はそのまま・二膳目は薬味をのせる・三膳目はお茶漬けで食す)で楽しむ名古屋伝統のうなぎ料理です。
うなぎには、タンパク質、ビタミンA、ビタミンB、カルシウム、鉄分などが豊富に含まれ、滋養強壮の食品として夏バテや疲労などに効果があるとされ、夏の盛りや土用の丑の日などに食されています。
来月のテーマは、「静岡県 ~日本の郷土料理~」です。