健康管理情報

和歌山 ~日本の郷土料理~

2014年6月号
更新)
日本の郷土料理

和歌山県は太平洋に突き出た日本最大の半島である紀伊半島の南西部に位置し、隣接する都道府県は大阪府・奈良県・三重県・兵庫県・徳島県になります。一年を通じて温暖で雨量が多い林木の生育に適した気候から県土の7割超が緑豊かな広大な森林で覆われ、古来より「木の国」と呼ばれてきました。

県庁所在地である和歌山市は、江戸時代に徳川御三家の1つ紀州徳川家の城下町として栄えました。ちなみに「暴れん坊将軍」で知られる八代将軍・徳川吉宗も紀州徳川家の出身です。和歌山市の中心街にある和歌山城は戦災で建造物のほとんどが焼失してしまいましたが、再建された天守閣は和歌山市のシンボルとして愛されています。

県の花は、「梅」です。

 

名所

那智の滝(なちのたき)

那智の滝は世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれる那智山にある滝であり、熊野信仰の中心地として古くから多くの人々の信仰を集めている熊野那智大社の別宮である飛(ひ)瀧(ろう)神社のご神体とされています。那智の滝は那智川にかかる「那智四十八滝」といわれる多くの滝の総称となりますが、一般にはその中の「一の滝」のことをいいます。

高さ133メートル、幅13メートル、毎秒10トンの水量で垂直の絶壁から四季の色合いに染まった那智原生林を背景に落下する圧倒的・迫力ある那智の滝は、栃木県の「華厳の滝」、茨城県の「袋田の滝」とともに日本三名瀑の1つです。

特産品

南高梅(なんこうばい、なんこううめ)

南高梅は和歌山県の気候風土に合うようにつくられ、現在では梅生産量日本一を誇る和歌山県を代表する梅の品種の1つです。数ある品種の中でも最高級品として知られ、梅の果実が大きいのに種は小さく、果肉が厚くてやわらかいのが特徴です。

梅は、疲労回復、整腸作用、殺菌効果などの効能がある食材であり、梅干し・梅酒・梅ジュースをはじめ、調味料にも使用されるなどさまざまな料理に適しています。

郷土料理

めはりずし

めはりずしは、高菜の漬物でご飯をくるんだ握り飯のような山のお寿司で、春から冬にかけて高菜を漬けこむのが家庭行事であった熊野地方の郷土食です。江戸時代から農作業や山仕事に行く際のお弁当としてつくられ、忙しい作業中でもおなかがいっぱいになれるように大きく握られています。

「目を見張るように口を開ける」「目を見張るほど美味しい」ことから「めはりずし」といわれています。

ウツボ料理

ウツボは、南日本太平洋沿岸の岩礁に生育する鋭い歯を持つ海水魚です。和歌山県南部では古くから食され、正月料理の食材としても珍重されています。「海のギャング」とも呼ばれる不気味で獰猛な見た目とは裏腹に、美しい白身はクセがなく良質なタンパク質やカルシウム、鉄分、コラーゲンが含まれ、滋養強壮によいといわれています。

鍋や焼き物、唐揚げなど調理方法も多彩にあり、ウツボを寒風にさらした干物を揚げ煮にした佃煮は和歌山県の名産品です。

来月のテーマは、「三重県 ~日本の郷土料理~」です。