健康管理情報

長崎 ~日本の郷土料理~

2013年11月号
更新)
日本の郷土料理

長崎県は、日本の最西端、九州地方の西北部に位置し、東シナ海に突出する半島と離島からなり、面積の45%を離島部が占めています。島嶼(とうしょ)が多いほか、岬と湾、入り江から形成されているため、海岸線の長さは4,000kmを超え北海道に次ぎ全国第2位の長さです。
鎖国時代、長崎の出島が海外文化導入の窓口をなし、日本の近代化に大きな役割を果たしました。
県の花は、雲仙ツツジで、5~6月に紫紅色や桃色、薄紅色の花を咲かせます。

 

名所

軍艦島

軍艦島は、長崎港から南西約19kmの海上に浮かぶ端島の俗称で、周囲約1,200m、面積63,000㎡という小さな海底炭鉱の島です。島全体を塀が囲い、高層鉄筋アパートが立ち並んで、その外観が戦艦「土佐」に似ていることから軍艦島と呼ばれるようになったと言われています。
19世紀始めにこの島で初めて石炭が発見されました。その後、1890年から本格的な採炭が始まり、炭鉱労働者とその家族が移住して最盛期には5,000人を超える人が暮らしていましたが、1974年の閉山とともに島民が島を離れ、現在は無人島になっています。
2009年には「九州・山口の近代化産業遺産群」の一部として、世界遺産暫定リストに記載されています。

特産品

びわ

長崎県では江戸時代からびわの栽培が行われています。生産量は全国の30%以上を占め、全国第1位です。形が楽器の琵琶に似ていることから「びわ」と名づけられました。
果物の中でも珍しく、11~2月の冬の時期に白い花を咲かせます。デリケートな果実で、気象条件の影響を受けやすく、温暖な地域を中心に栽培されています。
びわはβ-カロテンの含有量は果物の中でもトップクラスのほか、葉には皮膚疾患の改善や喉の炎症の緩和、下痢止めなどに効果があると言われ、古くから民間療法として重宝されてきました。

郷土料理

具雑煮

具雑煮は、島原地方で正月などに食べられる、餅や野菜、肉、魚などの具を種類・量とも多く入れて煮込んだ雑煮です。
1637年の島原の乱のとき、一揆軍の総大将であった天草四郎が37,000人の信徒たちとともに原城に籠城した際、農民たちに餅を貯えさせ、山や海からいろいろな材料を集めて雑煮を炊き、栄養をとりながら約3ヶ月も戦ったと言われています。
これをもとに文化10年、初代糀屋喜衛ェ門が味を調え、売り出したのが現在の具雑煮のはじまりと言われています。

かんころもち

五島列島では、サツマイモを薄く切って天日干ししたものを「かんころ」と呼びます。
かんころもちとは、もち米とかんころを混ぜ込んだもので、色は緑色で甘みが強いのが特徴の五島列島の郷土料理です。冬の保存食として作られていましたが、食料が不足していた時代から語り継がれていることから、その時代に高価だったもち米とサツマイモを混ぜ合わせて量を増やすという庶民の考えからきたものだとも言われています。
現在では、よもぎ入りやいりごま入りなどさまざまな種類があります。

来月のテーマは、「沖縄県 ~日本の郷土料理~」です。