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京都 ~日本の郷土料理~

2013年6月号
更新)
日本の郷土料理

京都府は本州の中央付近に位置し、日本海から内陸に至る南北に細長い地形をしています。そのため、南部地域は内陸性気候の特色を、北部地域は日本海型気候の特色を持ち、豊かな自然に恵まれています。
京都府は794年(延暦13年)に平安京として建設され、皇居の置かれた日本の首都として1869年(明治2年)までの約1000年以上に及ぶ長い歴史の中、日本の政治・経済・文化の中心として発展してきました。現在も世界遺産を含む歴史的建造物や風情ある町並みが多く残されており、四季折々の自然豊かな風景の中、歴史や文化に触れることができます。府の花は「しだれ桜」です。

 

名所

清水寺

清水寺は、東区・音羽山の中腹にある寺院であり、1994年に世界遺産に登録されました。平安遷都前の778年(宝亀9年)に僧延鎮が開山し、坂上田村麻呂の助成を得て798年(延暦17年)に仏殿を建立したと伝えられています。
国宝である本堂から崖の上に張り出した「清水の舞台」は有名であり、平安時代から能や狂言、雅楽等が奉納されてきました。「舞台」からの眺望は京都市内が一望でき、春には桜、秋には紅葉など四季を通じて美しい景観が楽しめます。

特産品

宇治茶

宇治茶は、鎌倉時代から京都府宇治市を中心とした南部地域で生産されている日本茶であり、煎茶の手もみ製法は宇治の技法が元となっています。
室町時代には三代将軍・足利義満が茶園を宇治につくり、茶の研究・産業が発展しました。江戸時代には「茶の最上は宇治」とされ、宇治から江戸の将軍に宇治茶を茶つぼに入れて運ぶ「お茶つぼ道中」が長年に渡り行われました。その道中の様子は、日本の童謡「ずいずいずっころばし」の中で「茶つぼにおわれてとっぴんしゃん」と歌われています。

郷土料理

千枚漬

京漬物は、京都府産の野菜からつくられ、野菜本来の味を生かした風味豊かな漬物のことです。千枚漬は、京野菜の聖護院かぶの皮を薄く切り、昆布、塩、砂糖、唐辛子とともに酢漬けにした江戸時代末期に考案された伝統的な京漬物になります。千枚漬の「千枚」とは樽に漬け込む枚数が千枚以上も数多くあるという意味からです。
茄子を刻んだ赤しその葉で塩漬けにした「しば漬」、かぶの変種であるすぐき菜を伝統製法で乳酸発酵させた「すぐき漬」とともに「京都三大漬物」といわれています。

うずみ豆腐

うずみ豆腐は京都の精進料理です。うずみ豆腐の「うずみ」とは、「うずまる」「うずもれる」の意味で、温めた豆腐をお椀に入れ、その上から豆腐が見えなくなるくらいに炊き立てのご飯を盛りつけた後、京都特産の白味噌仕立てのだし汁を注ぎます。豆腐がご飯の中でうずまっている、埋もれている状態になることから「うずみ豆腐」という名がつけられました。
炊きたてのご飯以外にも白粥や餅米を使い、お好みで三つ葉や刻んだのりを添えると美味しく召し上がることができます。

来月のテーマは、「大阪府 ~日本の郷土料理~」です。