生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
今月は、うま味に注目します。
うま味とは、鰹節や昆布、干椎茸などからとっただしの味のことをいい、人間が味わうことのできる五種類の基本的な味(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)のひとつです。
うま味は、体をつくるために必要なタンパク質(アミノ酸)を示す味として本能的に好まれると考えられています。
うま味をもたらす代表的な成分は、アミノ酸の一種のグルタミン酸や、核酸の一種のイノシン酸、グアニル酸です。
私達日本人が「うま味」と聞くとすぐに連想する昆布にはグルタミン酸が、鰹節にはイノシン酸が、干椎茸にはグアニル酸が多く含まれています。
また、グルタミン酸は、母乳にも多く含まれています。従って、赤ちゃんが母乳を好む理由のひとつに、母乳のうま味においしさを感じていることが挙げられます。
なお、うま味成分を発見したのは日本人であることから「うま味」は英語でも
「umami」と呼ばれ、国際的に使用されています。
うま味は、他の味よりも味が長続きする上に、料理にコクを与える特徴があります。
そこで、うま味を上手に利用した料理を作れば、食塩やしょうゆ、味噌などの調味料の使用量を控えても、おいしさと満足感を十分に得ることができます。
そのためのポイントは3つあります。うま味成分を「引き出す」「加える」「組み合わせる」ことです。
うま味成分を多く含む食品から、うま味を十分に引き出しましょう。
ここでは、昆布と鰹節を使った基本的な方法を紹介します。
調味料にうま味を加えることで、調味料自体の使用量を減らすことができます。
ここでは、しょうゆ(小さじ1)にうま味を加える方法を紹介します。
うま味成分のグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸は、それぞれを組み合わせることで、より一層強いうま味をもたらします。特に、グルタミン酸、イノシン酸を組み合わせると、そのうま味の強さは2倍ではなく、5~7倍程度にもなります。
これらのうま味成分は次のような食品に含まれていますので、それぞれの組み合わせを参考にして、さまざまな料理を楽しんでみましょう。
来月のテーマは、「酸味 ~おいしさの秘密~」です。