生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
ストレスを感じることが多い現代では、癒しを求めてペットと暮らす人が増えました。特に、一人暮らしの女性や子どものいない夫婦、子どもが社会人となって家を出た後の夫婦が犬や猫といったペットを飼うことが多くなっています。
こうした人達にとって、ペットは毎日の生活に大きな安らぎを与えてくれます。
昨今マスコミでも注目されている「アニマルセラピー」。広い意味では動物との関わりが人間の健康の質を向上させる場合を指します。
日本では「ペットセラピー」と呼ばれることもありますが、厳密にいえばアニマルセラピーにはきちんとした定義があります。
「人間に対する医療行為の中で、動物がある役割を果たす」というもので、専門家(医師・看護士・作業療法士・心理療法士など)が指揮をとり、動物を連れたボランティアの協力のもと治療を行うものです。
動物を連れたボランティアが、高齢者施設や障害者施設、児童施設などを訪問し、動物との触れ合いや芸の披露などのレクリエーションを行います。それによって、生活の質(QOL)を向上させ、情緒的、教育的、身体的、そして時には治療的効果をもたらす機会を与えるものです。
動物と触れ合い、一緒に遊ぶことで、心の病気や体の不調が改善されるケースがよく見られます。こうしたことから、精神的・身体的な治療の助けとしての位置付けもあり、最近では医療施設をはじめ多くの場所で取り入れられています。
具体的には以下のような効果が期待できます。
昔から、人間の良きパートナーとして活躍している馬。実は、歩く馬に乗った時に感じる揺れは体や脳に良い刺激を与えるとして、19世紀から注目され続けてきました。
そして現在世界各国で、こうした「乗馬療法」が体のリハビリや神経障害の治療に活かされています。
最近では、特に障害のある子ども達に対する心理的・教育的なアプローチとして、乗馬クラブの協力を得て乗馬体験をプログラムに取り入れる施設が増えているようです。
私達人間に心地良く響いてくる「馬が奏でる自然のリズム」を体感すれば気分もスッキリ。動物園やアミューズメントパーク、牧場など気軽に乗馬を体験できる場所もいろいろあるので、興味のある人はぜひ試してみると良いでしょう。
「癒しの動物」というと、真っ先にイルカを思い出す人も多いのではないでしょうか?
イルカは精神的な病気の人間を見分け、その症状を和らげることができるという説もあり、アメリカではうつ病や自閉症などの治療法としてイルカと一緒に泳ぐプログラムもあるのだそうです。イルカは頭が良く好奇心旺盛な生き物で、こちらの気持ちを理解しながら一緒に遊んでくれるため、対人関係とは別のコミュニケーションを楽しめます。
また、イルカの鳴き声を聞くと「リラックスできて、よく眠れる」という研究報告もあるので、なかなか眠れない時やイライラが続く時はイルカの鳴き声が収録された環境CDをBGMにするのもおすすめです。
都会の喧騒に疲れたら、バードウォッチングに出かけてみましょう。自然公園などバードウォッチングができるスポットには自然もいっぱいです。空を自由に飛びまわる鳥達と一緒に、美しい自然が心を癒してくれます。
アニマル・セラピーには、犬や猫などが多く貢献しています。
例えば、
など、
たくさんの例が報告されています。
例えば、住宅事情が許さない、動物のアレルギーがある、などいろいろな理由で犬や猫が飼えない場合も当然あります。そういう人は、熱帯魚や鳥、ウサギやハムスターなどの小動物を飼ってみてはどうでしょうか?
もちろん、えさをあげたり、世話をすることで愛着がわいてきますし、疲れている時にインコが愛らしいし仕草をするだけでもストレスが解消されてホッとしてくるものです。
それもできない人は、ベランダや庭にパンくずをまいて、それを食べに来るスズメなどの野生の鳥を眺めてみても良いでしょう。必ずしも飼う事が大切なのではなく、動物と触れ合うことが大切なのです。
来月のテーマは、「甘味 ~おいしさの秘密~」です。