生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
私達の身の周りには、いつも多くの色があふれています。普段、何気なく接していますが、実は色によって気持ちが変わったり、体が元気になったりすることがあります。色はそんな驚くべき力をもっており、この力を利用したのが「カラーセラピー」です。
色は「心の言葉」です。人が好む色には、その人の育ってきた環境や考え方などが反映されます。人が気になる色には、そのときどきの気分や気持ちの変化が驚くほど繊細に現れるのです。選んだ色から心身の状態を判断し、心や体に必要な色を処方する、それがカラーセラピーの基礎となります。
色は光、つまり電磁波の一種です。電磁波といえば、赤外線・紫外線・X線などが有名ですが、人の目に見える色(可視光)もこの電磁波の一種なのです。
目から入った色の刺激は、脳の視床下部に届きます。この視床下部は、神経系やホルモンなど内分泌系の機能調整を一手に引き受ける司令塔です。神経系や内分泌系は、人の精神と深く関わっています。そのため、色で気持ちをコントロールすることもできるのです。イライラする時、無気力な時、不安な時、そんなさまざまなストレスも色が解決の手助けをしてくれます。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあり、必要に応じて切り替わって働いています。色は暖色系の色(赤や黄色)と寒色系の色(青や紫)に分けることができ、暖色系の色は交感神経を活発にさせ、寒色系の色は副交感神経を活発にさせます。
同じ人が赤で統一された部屋と、青で統一された部屋に順番に入り、それぞれの部屋で脈拍数と体温を測ります。すると、多くの人は赤の部屋で測った時の方が脈拍数も体温も高くなるそうです。
この実験結果から、赤という色が交感神経を活発にしていることが分かります。暖色系の色は「動」的な心の状態、寒色系の色は「静」的な心の状態と結びつくことが多いようです。
普段はあまり意識することのない「色」を生活の中に取り入れていきます。
自分に必要な色を見つけ出し、その色を自分の生活の中に取り入れてみて下さい。色のついたハンカチや紙切れでもかまいませんし、肌に直接触れる下着なども効果抜群です。周囲から見えるところに色を取り入れれば、周りの人にも影響を与えます。
あなたが楽しい時やつらく悲しい時にその気持ちを色で例えると何色ですか?
このようにいろいろな状態の時に、気持ちを表したそれぞれの色を把握しておきます。この情報から自分の感情と色の関係を導いて、マイナスイメージの色をなるべく避け、プラスイメージの色を生活の中に取り込んでいくことで癒し効果を得られます。
カラーセラピストと会話をしながら 天然のハーブから抽出された100本以上の2層に分かれた色の小さなガラス瓶の中から、4本のボトルを選び出すことから始まります。
その選んだ色から、性格、深層心理、潜在能力、問題点、やるべきこと、未来への可能性などの説明を受けた後、必要な色やボトルを選び出し、それらを生活の中で活かして自らを癒していく方法をセラピストからアドバイスされます。
カラーセラピーで今のあなたに必要な色を診断してみましょう。
今、あなたの心はどんな状態ですか?
A~Fの中から選んでみて下さい。
では、診断結果です。これを見ると、今のあなたに必要な色が分かります。
おすすめの色を、生活にプラスしてみて下さい。
赤には、交感神経を刺激してやる気を起こさせる働きがあります。また、血行を促進する効果もあるので、冷え性や肩こりの方にもおすすめです。
ピンクには、女性ホルモンを促す力があるので、穏やかな気持ちになりたい時に最適です。
イライラを鎮めてやさしくなれるので、円滑な人付き合いに一役買ってくれます。
気持ちに揺らぎがなくなって、自信がつき、積極的に行動できるようになります。
内臓の働きを活発にする色なので、内臓の不調からくる肌トラブルにも効果を発揮してくれます。
黄色は、気持ちを明るくして、やる気を起こさせる色です。神経を集中させる働きもあるので、何かに打ち込むことで、不安や孤独感を解決することもできることでしょう。
緑には、気持ちを鎮めてリラックスさせる効果があります。安心感を与えて、次への活力を育む効果が期待できるので、休息する時にはぜひ取り入れたい色です。
紫は、興奮を鎮めて疲れを取り、リラックスさせる働きがあります。
最も沈静作用のある色だといわれ、神経質な人や興奮し過ぎる人にも効果的です。
カラーセラピーは、身近なことからできるストレス解消法です。
色を使い分けることで、心のバランスを整えることができます。身に着ける物やインテリアなど、効果的な色使いで快適に過ごしましょう。
来月のテーマは、「アニマルセラピー ~ストレス解消法~」です。