生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
散歩をしながら近所の玄関先や裏庭を見てみると、ガーデニングをしている家がたくさんあるのに気付きます。
花や植物を育てながら癒されたり、庭を持つことによって「時間を忘れながらゆとりのある暮らし」をしたいという人が増えたことが人気の1つです。
ぽかぽか陽気の中、植物を育てるのは気分爽快です!ガーデニングには、心と体に良い「エッセンス」が含まれているといいますが、一体どうしてでしょうか?
植物を育てることは、視覚・触覚・聴覚・嗅覚・味覚の五感を刺激し、忘れかけていた記憶を呼び起こしたり、感受性を豊かにする効果があるといわれています。
植物の成長を見守ることは「育てる」本能を満足させ、また美しい花や実を摘み取ることは「狩る」本能を充足させることにつながります。
つまり、現代社会の中で忘れかけていた、人間が本来持っている原始的で素朴な感情を取り戻すことができるのです。
ガーデニングは、季節や天候に合わせて水や肥料を変えたり、温度管理に気を使ったりと、常に頭を使って工夫しなければいけません。
こうした一連の「頭脳労働」が高齢者の認知症を防ぎ、老後をいきいきと過ごすために役立ちます。
庭や畑で作業をする場合には、風や雨にも負けない健康な体作りが必要になります。ガーデニングに夢中になると、植物を枯らしたくないという気持ちから、意識的に体調を管理するようになるそうです。
ガーデニングは重いコンテナや土を運んだり、腰や手足を曲げたり、立ったり座ったり体を動かす作業が多く、運動不足の人にとっては最適の趣味です。
ビタミンDは日光に当たることでたくさん作られますので、骨を丈夫にするためにも日光を浴びることはとても効果的です。
しかし、紫外線がシミやシワをつくる原因となる可能性もありますので、長袖を着たり、帽子をかぶって作業をすると良いでしょう。
最近話題のマイナスイオンは、植物からもたくさん発生します。特に、土や植物に水をまいたり、雨の降った次の日に土いじりをするとたくさん発生するため、心身ともにリフレッシュしたい時にはおすすめです。
園芸療法とは、ガーデニングを心と体の健康に役立てるための方法をいい、アメリカやヨーロッパでは医療や福祉の現場で積極的に取り入れられてきました。園芸と福祉や医療の専門知識をもった「園芸療法士」が、園芸を媒介として症状や状況の改善を目指すものです。
うつ病や統合失調症、認知症などのリハビリとしての役割が注目されています。施設やグループで行われる園芸療法の場合、以下のようなメリットがあります。
みんなで知恵を出しあって植物を育てることで仲間意識が芽生え、人と協力して作業をすることの醍醐味を味わうことができます。
力を合わせることで、個人の力ではできない和みの場所やベランダ作りなどを行えます。場を作る達成感も、ガーデニングそのものの喜びとともに大きいものです。
ガーデニングを始めようと思っても、何から始めたら良いのか分からない方が多いと思います。
最近では、初心者でも手軽に楽しめる育てやすい花・長く楽しめる花が多く出回るようになり、園芸店、ホームセンターなどで手軽に購入できるようになりました。
手軽にガーデニングを始めるならコンテナガーデンがお勧めです。お気に入りのコンテナに2~3種類の草花を植えてコンテナスタンドにのせればできあがりです。
これならベランダのちょっとしたスペースでもOKです。
「もっと本格的にガーデニングがしたい!」と思ったら、花壇を作ってみましょう。レンガや枕木で柵を作るとおしゃれな花壇ができます。ちょっぴりズボラな人はハーブを植えてみましょう。
ハーブは基本的に強いものが多いので、かなりほったらかしでも元気に育ってくれます。
ベランダが狭くて鉢が置けない方は、お部屋に観葉植物を置いてみましょう。大きいものから小さいものまでサイズも色々ありますし、緑が1つあるだけでぐっと雰囲気の良いお部屋になります。
気軽に緑に囲まれた心和む空間を作ってみましょう。
あでやかな花や季節によって変わる植物の色彩は、無意識のうちに私達の心身に良い影響を与えてくれます。
自分のなりたい気分に合わせて花を選ぶのも楽しみの1つです。
来月のテーマは、「アロマテラピー ~ストレス解消法~」です。