生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
私達は普段、全く無意識に呼吸をしています。しかし、呼吸とは生きている間、絶え間なく続けるもので、人は一生の間になんと6~7億回も呼吸をするそうです。
深くゆっくりと酸素を吸い込むことで、全身に新鮮な酸素が行き渡り血行が良くなります。そして心身ともにリフレッシュすることができるのです。
呼吸の仕方ひとつで、心身の健康は大きく左右されますので、ぜひ正しい呼吸法を身につけてストレスを解消させましょう!
感情と呼吸は密接な関係があります。心身が緊張した状態になると、呼吸は浅く短くなり、眠っている時やリラックス状態の時は、呼吸は深くゆっくりになります。
呼吸を整えることで、以下のようなさまざまなリラックス効果が得られます。
人は呼吸をして全身に酸素を送っていますが、呼吸が浅いと酸素が不足してしまいます。
特に脳は酸素不足になりがちですので、深呼吸をしてみると頭がスッキリするはずです。
交感神経は不安やストレスを感じた時に活発となり、副交感神経は睡眠時やリラックスしている時に働いています。
ゆっくりとした大きな呼吸は、副交感神経をスムーズに働かせます。
副交感神経は、ホルモンや免疫の働きを正常化させる働きもあります。
呼吸に集中することによって、受けているストレスから一時的に遮断されます。
そうすることで、気分を落ち着けることができます。
ストレスを感じている時、いつのまにか呼吸は浅くなっているものです。浅い呼吸とは、肩や胸だけで行っている呼吸で、肺の一部にしか酸素を届けることができず、血液中の酸素が不足してきます。
最もそのダメージが大きいのが脳です。普通の筋肉細胞を1とすると、脳の神経細胞はその20倍の酸素を摂取しなければならないからです。
また、常に浅い呼吸を続けていると、副交感神経の代わりに交感神経ばかりが働くようになり、体のあちこちに支障があらわれます。
このように、浅い呼吸は脳や自律神経に影響を及ぼし、ストレスをますます増幅させてしまいます。
自律神経失調症、呼吸関連の筋肉の凝り、背骨のゆがみ、胃などの内臓・肋骨の下垂、肝機能の低下、便秘、呼吸器系疾患など
人間が呼吸をするのは、鼻か口のどちらかです。鼻には吸った空気を浄化する機能が備わっているので、鼻から吸う鼻呼吸が自然な形です。
鼻呼吸は空気中のほこりを取り、乾燥した空気を適度な湿度にして、喉や肺にとって刺激の少ない空気にしてくれるのです。 人間以外の動物は鼻呼吸です。
口はもともと食事をするための器官で、空気を浄化する機能はありません。
口呼吸をしてしまうと、乾燥した空気が口から直接体内に取り込まれることで、口の中や喉が乾燥します。
また、細菌やウィルスが直接侵入し、風邪やアレルギーなどにもかかりやすくなります。
さらには、顔の筋肉が弱くなって口が開きやすくなり、いびきをかきやすくなったり、顔もたるみやすくなって美容にも影響します。
このように口呼吸の弊害はさまざまです。
特に最近は、子どもから大人まで、さまざまな原因で口呼吸が増えていることが問題となっています。
あなたは口呼吸をしていないでしょうか?
下のチェック項目で3つ以上当てはまると、口呼吸の可能性大です。
普段口呼吸をしている人が鼻呼吸に治すには、ガムを噛むという方法が良いそうです。
深くゆったりと息をするためには、お腹で呼吸する「腹式呼吸」が1番です。
下腹を膨らませたり引っ込ませたりすることで、腹圧により深さやリズムを整えることができます。
来月のテーマは、「笑う ~ストレス解消法~」です。