健康管理情報

入浴 ~ストレス解消法~

2010年4月号
更新)
ストレス解消法

さまざまなストレスで悩まされる現代、温かいお湯につかってリラックスする入浴は、心の疲れを癒してくれる貴重な時間です。入浴は血行を良くして新陳代謝を活発にし、老廃物を排出してくれるため、たまった疲れと汚れを洗い流してくれます。もちろん、健康や美容への効果も見逃せません。

また、入浴中は副交感神経が働いて緊張がほぐれると同時に、浮力効果も加わって、心身ともに穏やかな状態になります。もともと、諸外国に比べて日本人は入浴好きで、「1日の疲れをお風呂で解消する」という認識が強くあります。ストレスを解消するために、入浴を有効活用したいものです。

お湯の温度はどれ位?)

熱くもなく、ぬるくもなく、ちょうどいい湯加減とはどの位でしょうか?
好みは人それぞれですが、だいたい日本人が好む温度は38~43度だといわれています。
熱いお湯につかってすぐに出てしまうのは皮膚しか温まらず、すぐに湯冷めしてしまうので避けましょう。

-お風呂の温度と効用-

 

お風呂の入り方

日本人は肩まで入る全身浴が多いですが、時間と場合にあわせて部分浴を取り入れるとさらに健康になれます。

 

半身浴・腰湯

高血圧、冷え性、便秘、腰痛、痔、更年期障害、胃弱などの方におすすめ みぞおちまでの半身浴は、心臓や肺への負担が少なくてすみ、のぼせる心配もなく、じっくり温まることができます。
また、腰までの深さに浸かる腰湯は、冷えが原因のさまざまな症状に良いといわれています。いずれの場合も、寒い時は肩にタオルをかけると良いでしょう。

寝浴

手術後や外傷後、心臓が弱い人、高血圧などにおすすめ 水中で仰向けに寝るように横たわって入浴する方法です。
水圧があまりかからないうえ、肩までお湯につかれます。水に浮かぶこの入り方は、リラックス効果が高いだけでなく、全身を支える筋肉、関節などが一時的に重力から解放される効果もあります。

足浴・手浴

風邪、喘息、狭心症などにおすすめ お風呂に入れない時におすすめしたいのが足浴・手浴。洗面器にお湯を入れて10~15分程つけます。
足がむくんだ時や手や腕、肩などが疲れたり、凝った時などに効果的です。
冷え症の人は足や手の先の血液循環が良くなります。

家庭でできる簡単薬湯

いつも同じお風呂ではつまらないという方は、こんなお風呂を楽しんでみてはいかがでしょうか?普段と違ってリラックスした気分になれること、間違いなしです。
入浴剤などの利用すると、香りでリラックスしたり、湯冷めしにくくなるといった効果も期待できます。

ゆずなどの柑橘類

ゆずやレモン、みかんなど柑橘類の皮に含まれる精油成分には、血行を良くする作用があります。冷え性や冷えが原因で起こる神経痛、筋肉痛、関節痛、腰痛、リウマチ対策などに効果的です。
また、ひびやあかぎれなどの肌のトラブル解消にも良いそうです。

炭は無数の穴が開いた多孔体構造をしており、その孔が塩素など水道水に含まれる残留物質を吸着してくれるので、お湯がきれいになります。
カルシウムや鉄など炭のミネラル成分がお湯に溶け出したり、遠赤外線効果で血行を良くするなどさまざまな薬効があります。

酒かすおよび日本酒

酒かすには、老化して弱ったり、酸性状態に陥った肌をもとに戻す「コウジ酸」が含まれています。ビタミン類やアミノ酸も豊富で、肌の保湿効果や血行を良くする作用があります。
日本酒にも、新陳代謝を活発にする働きがあります。

お酢

お酢を浴槽に入れると、肌のpH度が適度に調整され、肌の状態が良くなります。汚れが落ち、肌のかさつきやかゆみも抑えてくれるので、乾燥肌やアトピーの人などにおすすめです。特にリンゴ酢は血行促進や血圧低下の作用があります。

ハーブ

最近はアロマセラピーも身近になってきました。リラックスしたい時はラベンダーやカモミール、リフレッシュしたい時はミントなど、気分や体調によって選びたいものです。有機栽培のハーブやエッセンシャルオイルには薬効も期待できます。

体を洗う時間も含め30分程度お風呂に入っているだけで、1,000mランニングするのと同じ位のエネルギー(約100kcal)を消費しているそうです。入浴後はできれば1時間位体を休めましょう。
また、入浴中は思っている以上に汗をかいて、水分を失っています。水分を補給し、化粧水などをつけて体の潤いを保ちましょう。

コラム: 温泉の秘密

寒い冬は温泉で心も体も癒したいものです。温泉が一般庶民にまで広がったのは江戸時代。高い薬代を払えず、「治療」を目的に多くの人が温泉地に向かったといわれています。

温泉には、以下のような効果があります。

  1. 「化学効果」・・・
    温泉に含まれる成分が皮膚からしみこむことによる効果。
  2. 「環境効果」・・・
    普段の生活とは異なる環境で、のんびりと過ごすことにより疲れをとる効果。
  3. 「反復入浴効果」・・・
    繰返し入浴することにより、血行や新陳代謝が良くなる効果。

お湯の中では、体に水圧がかかりウエストが3~5cm位細くなります。
これはマッサージ効果などといわれていますが、外側だけでなく内側にも効果があります。例えば肺が圧縮されて呼吸運動が活発になるなどです。
もちろん、家のお風呂にも同じ作用がありますが、温泉といえば1日数回お湯につかるのが醍醐味という人が多いですよね。繰り返しつかることで効果が高まるのです。

来月のテーマは、「運動 ~ストレス解消法~」です。