生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
骨、歯、筋肉、脳、神経、肝臓などすべての細胞にあります。
リンはカルシウムの次に体の中に多いミネラルで成人の体重の約1%を占めています。そのうちの80~85%がカルシウムやマグネシウムと結合し歯や骨として使われています。その残りは細胞膜の成分や核酸の構成成分として存在しています。
また、ATP(アデノシン三リン酸)という高エネルギーを発生する物質にも含まれエネルギーの生産・運搬にも関っています。
リンの1日摂取量の目安はは成人男性で1,050mg、成人女性では900mgです。上限は男女とも3,500mg となっています。
リンはほとんどの食品に含まれているので、普通の食事で不足することはありません。
さらに保存性を高めるために多くの加工食品にリン酸塩として添加されていますので、不足よりも 摂り過ぎることのほうが 問題となっています。
リンとカルシウムは血液中でバランスをとって存在しています。
もし血液中のリンが多すぎるとカルシウムはバランスをとろうとして骨に蓄えられている貯蔵カルシウムを血中に放出します。 その結果、骨のカルシウムが減少し、カルシウムの吸収を妨げてしまいます。また、腎臓機能の低下をもたらすこともあります。
通常の食事でリンが不足することはないですが、長期間、制酸薬(胃薬)である水酸化アルミニウムを服用すると、リンの吸収が妨げられて胃吸収が起こり、衰弱、食欲不振、倦怠感などの症状が起こることが知られています。
他にビタミンDは不足することでリンの吸収が妨げられてくる病などの骨疾患などを引き起こすこと があります。
リンは取りすぎに注意が必要ですが、食事から取るリンとカルシウムのバランスは1:1~1:2が良いとされています。
特にカルシウムは日本人に不足しがちな栄養素ですから、積極的にカルシウムを多く含む食品をとることが大切です。
(カルシウムの多い食品についてはバックナンバー3月をご参考ください)
(100g) | リン(mg) | カルシウム(mg) |
---|---|---|
レトルトカレー | 43 | 20 |
グラタン(冷凍) | 73 | 66 |
コロッケ(冷凍) | 63 | 43 |
しゅうまい(冷凍) | 95 | 30 |
ハンバーグ(冷凍) | 120 | 38 |
ポテトチップス | 100 | 17 |
コーンスナック | 70 | 50 |
シュークリーム | 130 | 47 |
リンを多く含む食品下の表以外にも肉や一尾魚、大豆、牛乳・乳製品にも含まれています。加工食品のカルシウム量と比べると断然こちらのほうがバランスがよい事がわかりますね。
食材 | リン(mg) | カルシウム(mg) |
---|---|---|
プロセスチーズ(30g) | 219 | 189 |
ヨーグルト(1カップ) | 210 | 252 |
ワカサギ(3尾) | 280 | 360 |
どじょう(5尾) | 276 | 440 |
大豆(30g) | 174 | 72 |
そら豆 ……6個
トマト ……1個
チーズ ……100g
塩 ……少々
胡椒 ……少々
レモン汁 ……少々(お好み)
オリーブ油 ……少々(お好み)
そら豆をゆで、皮をむいておきます。火が通りやすいので、確認しながらゆでてください。
トマトは1口大に切ります。
チーズは1cm角に切る。
冷めたそら豆とトマト、チーズを和え塩・胡椒で味を調えます。
お好みでレモン汁やオリーブ油を少々加えるとコクが出ます。
盛り付けてできあがり!
来月のテーマは、「クロム ~体に必要な「ミネラル」ってなんだろう??~」です。