健康管理情報

暑気払い ~行事食~

2007年8月号
更新)
行事食

暑気払いとは、「暑さに負けそうになる心身を元気づけること。また、そのために何事かを催すこと(大辞林)」。お酒や薬を飲んで、夏の暑さを払うという意味もあります。現在では前者の催しを指すことが多いようです。

夏バテとは?

ではその暑さに負けると・・・通常「夏バテ」という状態になります。そもそも夏バテの症状は主に、食欲不振、全身の倦怠感や疲労感で、原因としては、
①環境ストレス(高温・多湿、光線)
②温度差ストレス(冷房・外気の温度差)
③運動不足・睡眠不足・暑さからくる消化機能の低下
が上げられます。
単純に「暑さ」「湿度」からくるストレスもありますが、最近問題とされているのが②の温度差ストレス。冷房が効いている屋内と外の出入りを繰り返すと、体温調節を行う自律神経に乱れが生じます。そうなると、体温の調節がうまくいかなくなり、だるさや食欲不振といったさまざまな症状を引き起こすのです。これら3つが絡んでさらに自律神経の乱れに繋がっていき、夏バテの症状を悪化させるのです。
環境ストレス、温度差ストレスについては、冷房をあまり下げすぎない、適度な運動をして汗を出し、ストレスを撃退するなどの方法があります。それでは「食」はどうでしょうか。暑さから何も食べたくない・・・と食事をおろそかにすると栄養不足になり、さらに自律神経の乱れを引き起こしてしまい、悪循環を促します。暑気払いをして、夏バテを予防しましょう!

夏バテ予防策には良質のたんぱく質とビタミン、ミネラルをしっかりとろう!

基本は3食を規則正しくとり、良質のたんぱく質、ビタミン、ミネラルをしっかりとること。特に汗をかくと、水分と一緒に体内のミネラル分も失われます。ミネラルはしっかりと補給して下さい。

夏の精力をつける食といえば土用丑の日に代表されるうなぎが一般的ですが、ちょっと変わったところで「甘酒」があることをご存知ですか?現在では甘酒というと正月や冬の寒い時期に飲む飲み物と思われがちですが、季語は「夏」。古代日本の宮中では暑気払いとして氷を食べたり、甘酒を飲んだりする夏の儀礼があり、江戸時代には庶民の間で夏場のカロリー補給や水分補給として広く飲まれていました。甘酒にはブドウ糖が20%以上含まれ、人間が生きていくために不可欠なビタミン類が豊富に含まれています。また、米を発酵させて作るので、必須アミノ酸も豊富。麹から由来する食物繊維やオリゴ糖で腸内環境も整える働きがあると言われています。夏バテ防止に美味しい甘酒をいただくのも良い暑気払いとなるのではないでしょうか。

おいしいレシピ

冷房で冷えた体には暖かい甘酒を、冷たいものが食べたくなったらこんなデザートはいかがでしょうか。

市販の甘酒を使っても良いですが、より自然な甘さをという方は手作りしてみては?
  1. もち米1カップに対し、水を倍量にして炊飯器で炊きます。
  2. 60℃まで冷ました後、米麹300gを入れて混ぜます。60℃位に冷ましたお湯100ccを加えます。
  3. 炊飯器を60℃の保温状態にし、10時間位そのまま保温します。
    密閉容器に入れ、冷蔵庫で1週間位保存できます。飲むときは人肌に温めて下さい。
甘酒プリン
材料
  • 甘酒 ……180cc

  • 豆乳 ……100cc

  • 粉ゼラチン ……5g

  • お湯 ……大さじ2

  • はちみつ ……大さじ1

  • お好みで、季節のフルーツ(もも、甘夏など) ……適量

作り方

  1. 1

    粉ゼラチンをお湯にふやかし、他の材料を鍋に入れ火にかけ、沸騰直前で火からおろしてゼラチンを入れ、溶かします。

  2. 2

    1を容器に入れ、冷蔵庫で冷やします。 お好みで、 フルーツをさいの目にし、冷えて固まった2の上に飾りましょう。

来月のテーマは、「お月見 ~行事食~」です。