生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
節分は各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のこと。特に、立春の前日(2/3頃)のことを示す場合が多く、現在では2月3日または4日を節分としています。
季節の変わり目は、陰陽五行思想では陽と陰の対立が激しく、人々に災いをもたらすと信じられており、それを祓うために節分の行事や儀式が行われてきました。これは中国から伝来した伝統で、神社や寺院では「追儺(ついな)の式」という鬼を祓う悪霊払いの儀式が行われます。代表的なところでは京都の吉田神社の節分祭です。
現在では社寺行事としては少なくなり、一般に豆撒きや門飾りをするようになりました。豆を撒くのは、豆打ちという寺院の厄払いの儀式と中国から伝来した厄払いの儀式が混ざり合ってできた行事ともいわれています。豆撒きは夜家族全員で行い、「鬼は外、福は内」といいながら撒いていきます。この掛け声はその土地土地で違うようで、特に「鬼」を祭った神社仏閣では「鬼も内」になっているようですよ。門飾りは鰯の頭や柊の葉を戸口に挿して鬼を祓うとされています。鰯はその臭いで、柊の葉はその尖った先のところで鬼が退散するのです。
大豆を煎ったものを福豆といいます。年の数だけ食べると、一年を無病息災で過ごせるといわれています。
優れたアミノ酸バランスで、「畑の肉」ともいわれる大豆は、女性ホルモンに似た働きを持つとされている大豆イソフラボン、不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ大豆サポニンなど注目の成分が沢山。
また、ビタミンB1やE、鉄やカルシウムも多く含み、栄養満点です。ただ、生の大豆はたんぱく質の消化を阻害する酵素が含まれ、また血液を凝固させる成分もあるので、家庭で煎る場合には十分に加熱しましょう。
以前は近畿地方のみ売られていた恵方巻き。最近では全国のコンビニエンスストアーでも見かけられます。
もともと、江戸末期から大正初期に大阪の花街でお新香を巻いた海苔巻きを恵方に向かって食べたのが始まりとされています。戦後大阪鮓商組合が大々的に宣伝し、今の「恵方に向かって」「無言で海苔巻きを丸かじり(かぶり)する」というスタイルになったそう。
ちなみに具は、かんぴょう、キュウリ、シイタケ、伊達巻、うなぎ、でんぶ等七種類。七福神にあやかり、福を食べるという意味合いもあるようです。2007年の恵方は北北西。今までは敬遠していた方も食べてみてはいかがでしょうか。
米・水 ……各3カップ(180ml/カップ)
昆布 ……5cm角1枚
かんぴょう ……20g
干ししいたけ ……5枚
高野豆腐 ……2個
卵 ……4個
ほうれん草 ……1/2束
うなぎの蒲焼 ……200g
でんぶ ……大さじ2
サラダ油 ……適量
A
酢 ……1/3カップ
砂糖 ……大さじ3
塩 ……大さじ1
B
だし汁 ……1.5カップ
砂糖 ……大さじ4
しょうゆ ……大さじ2
C
水 ……大さじ1
砂糖 ……大さじ2
塩 ……少々
米は炊く30分前にといでザルにあげ、水、昆布を加えて普通に炊く。
Aを弱火で煮溶かし、冷ます。
※ Aはすし酢(市販品)90ccで代用できます。
炊き上がった1をすしおけ(バット)に入れ、2またはすし酢(市販品)を回しかけて、手早くあおぎながらしゃもじで切るように混ぜる。
高野豆腐、干ししいたけはぬるま湯で戻し、きつく水気を絞って4等分に切る。かんぴょうは塩少々(分量外)でもみ、洗って水気を絞る。
4を鍋に入れて干ししいたけの戻し汁1/2カップとBを加え、煮立ったらアクを取り弱火で汁気がなくなるまで煮る。
卵は溶きほぐし、Cを混ぜ合わせる。熱したフライパンにサラダ油をひいて玉子焼きを作り、巻きすで形を整えて細長く切る。
ほうれん草はさっと塩ゆでする。うなぎは細長く切る。
巻きすを広げてのりをのせ、上2cmほどあけて3のすしめし1/4量を広げる。4~6の具とでんぶの1/4量をのせて一気に巻く。
来月のテーマは、「桃の節句 ~行事食~」です。