生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
春に花を咲かせることからこの名がついたといわれる春菊。その原産地は地中海沿岸地方で、中国経由で日本に渡来しました。ヨーロッパでは観賞用として栽培されており、食用としているのは東アジア地域だけです。関西では「菊菜」ともいいます。
味に特徴がありますが、栽培方法が露地栽培から砂利と水で育てる礫耕栽培に変わったため、独特な香りや食感が薄れてきています。しかし、いまだにビタミンAは緑黄色野菜でもトップクラスの含有量。100gで1日に必要な量をまかなうことが出来ます。
ビタミンCも豊富に含まれているため、昔から「食べる風邪薬」ともいわれます。特有の香りはαピネン、ベンズアルデヒドなど10種類の成分からなっています。これらの成分が胃腸の働きをよくしたり、痰をきって咳を鎮めるなどの作用があります。
冬の鍋物にかかせない春菊。クセのある香りからアクが強いと思われがちですが、アクはほとんどないので下茹での必要はありません。そのまま鍋に入れてください。豊富なビタミンCを損なわないように、鍋に入れたらさっと煮る程度にしましょう。
また、春菊にはビタミンB1とB2も多く含まれるので、肉や魚のたんぱく質や脂質の代謝を良くするはたらきがあります。
茎があまり太くなく、葉先まで緑色が濃くみずみずしいもの。葉は根元から密生しているもので、黄色が混じっていたり、黒ずんでいるものは避けましょう。また、伸びすぎていないものの方がやわらかくておいしいですね。
春菊 ……1/2束
たまねぎ ……1/4個
しめじ ……1/2パック
カキ ……150g
バター ……大さじ1
A
コンソメ ……1/2個
牛乳 ……1/2カップ
水 ……1/2カップ
春菊はさっと茹で3cmの長さに、たまねぎは薄切りにする。しめじは小房に分ける。カキは塩をふって、流水で洗う。
鍋にバターを溶かし、たまねぎを炒める。
たまねぎがしんなりしてきたら、小松菜・しめじ・カキ・[A]を加えて煮る。
カキに火が通ったら、一度取り出し、少し煮詰める。
塩・こしょうを加えて、味をととのえる。カキを鍋に戻す。
来月のテーマは、「おせち ~行事食~」です。