健康管理情報

いちご ~四季を感じる食~

2006年5月号
更新)
四季を感じる食と食養生

現在栽培されているいちごは、北米北部と南米チリが原産です。日本では江戸時代末期にオランダ人によって持ち込まれたといわれています。日本語の「いちご」の語源は野生の木いちごが「魚(いお)の血のある子のごとし」といわれたことから、魚の「い」、血の「ち」、子の「こ」をとっていちごと呼ぶようになったといわれています。

かつては春から初夏にかけての果実でしたが、現在は品種や栽培方法の改良により通年出回るようになりました。ハウスもののピークは1~2月で、とよのかや女峰は1~3月、輸入ものは6~10月に出回ります。

選び方としては、なによりも新鮮なものが第一です。つやがあって形がくずれておらず、へたがピンと張っているものを選びましょう。色は種類によってあまり赤く色付かないものもあるので、一概に判断できません。また生のまま洗ってまるごと食べるので、できれば無農薬のものを選びましょう。

 

いちごの栄養

いちごはみかんの2倍以上のビタミンCを含む、まさしくビタミンCの女王ともいうべき果物で、その含有量は5粒も食べれば1日の必要量がとれる程です。
食物繊維のペクチンも豊富で、水溶性の食物繊維であるペクチンはお通じを良くするとともに腸内の有害物質を排出してくれるため、便秘だけでなく、動脈硬化などの生活習慣病予防の面で見逃せません。また、カリウムも含まれるので、高血圧の予防にも効果的です。

いちごの食べ方

いちごを食べるとき、まず注意すべきは洗い方です。
塩水で洗うほうがよいといいますが、これはダメ。残留農薬の問題があり、塩水で洗うと浸透圧の関係から却って農薬をしみ込ませてしまいます。
無農薬のものが安心ですが、そうでない場合には流水で5分程浸けておきましょう。それ以上浸けるとビタミンCが損なわれてしまいます。
また、へたを取って洗うと、水っぽくなるのとともにビタミンCも損なわれやすくなるので、必ずつけたままで洗います。

おいしいレシピ

いちごに含まれるビタミンCは加熱に弱いため、今回のように生で食べられるものはもってこいです。 生クリームやヨーグルトを加えることで、タンパク質やカルシウムも一緒に補給できます。肥満が気になる人は砂糖をダイエットシュガーに、生クリームを牛乳に替えてみると良いでしょう。
いちごのムース
材料
  • 粉ゼラチン ……小さじ2

  • ……40cc

  • いちご ……130g

  •  プレーンヨーグルト ……130g

  •  生クリーム ……50ml

  •  砂糖 ……60g

  •  レモン汁 ……大さじ1

作り方

  1. 1

    粉ゼラチンを分量の水に約15分程ふやかしておく。

  2. 2

    電子レンジで1をレンジ強で20~30秒加熱する。

  3. 3

    いちごのへたを取り、飾り用のいちごを適量取り分る。

  4. 4

    3の残りはフォークの背で荒くつぶす。Aを加え合わせ、さらに2を加え、良く混ぜる。

  5. 5

    4を水で濡らした型に流し込み、冷蔵庫で約1時間冷やし固める。

  6. 6

    5の型を湯につけてムースを取り出し、皿に3と一緒に盛り合わせる。

来月のテーマは、「ふき ~四季を感じる食~」です。