健康管理情報

かつお ~四季を感じる食~

2006年4月号
更新)
四季を感じる食と食養生

この4月~7月、春から初夏に向けての時期は『初かつお』で、江戸中期の俳人山口素堂の句

「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」

とあるように、初夏の代名詞にもなるかつお。

昔、初物には寿命を延ばす栄養があるとも言われ、大変珍重されていました。煮ても焼いてもかたくなるため、魚偏に堅いと書いて、「鰹」となっています。

かつおの旬

初夏の「上りがつお」

日本近海を北上する時期のかつお。『初がつお』ともいう。味は脂肪が少なくあっさりしている。

秋口の「戻りがつお」

三陸沖に南下してくるかつお。『とろかつお』ともいう。味は身がしまって脂がのってこってりしている。

おもに関東で好んで食べるのが「初がつお」、関西で好んで食べるのが「戻りがつお」のようです。

かつおの栄養

良質なたんぱく質を多く含み脂質が少ないため、エネルギーをあまり取りたくない場合によい食材です。ビタミンB群を多く含むので、疲労回復に役立ち、ビタミンDは骨の代謝に欠かせないものです。

また、DHA、EPAを多く含み、このDHA、EPAはコレステロールを調節し動脈硬化予防に効果があると言われています。 そして、血合いの部分には特にビタミン類や鉄分を多く含むので、レバーが苦手な人の鉄分補給にもよいかもしれませんね。

初かつお100gの栄養素

エネルギー 114kcal
たんぱく質 25.8g
脂質 0.5g
ビタミンB1 0.13mg
ビタミンB2 0.17mg

 かつおの選び方

胴体が太ってはりがあり、頭と尾が小さく見える物はよく身がつき脂ものっています。
目が澄んでいて、背の色が青く鮮明で、しま模様がはっきりし、皮がざらざらしていることも重要です。
身は空気に触れると変色しやすいので、柵や切り身は赤く、血合いもはっきりとしている物を選びましょう。

かつおの調理法

新鮮なものは刺身、たたき、サラダなど生でいただけます。
たたきは火で生のかつおを炙ることでいぶした香りをつけ、表面を焼き固めることでおいしさを封じこめる調理法です。
少し鮮度が落ちたものは、から揚げ、角煮、ムニエルなどにし、しょうがやにんにく、胡椒、ハーブ等の香りを上手に使うことで臭みを感じにくくし、おいしくいただけます。

おいしいレシピ

家庭でできるかつおのたたき
材料
  • 鰹の節 ……1つ(できれば皮付がおいしい。)

  • 大根おろし ……長さ10cm程度

  • しょうが ……1片(30g程度)

  • にんにく ……1片

  • 青じそ ……5~6枚

  • ……少々

  • かけ汁(以下を混ぜ合わせる)

  •  酢(又はレモン汁,かんきつ類の汁) ……100ml

  •  しょうゆ ……100ml

作り方

  1. 1

    節に塩をふって身を締めておく。

  2. 2

    フライパンに油敷き、強火で熱し,皮目の方から入れてゆっくり「10」を数える。転がして別の面を焼き同様に表面だけ火を通す。

  3. 3

    すべての面が焼けたら、氷水に入れる。

  4. 4

    中心まで熱が引いたら,取り出して水気を拭く。(紙タオルなどを使う)

  5. 5

    4に大根おろしをまぶし冷蔵庫で冷たくする。(この時大根おろしが臭みをとってくれます。)

来月のテーマは、「いちご ~四季を感じる食~」です。