生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
たけのこは普通、孟宗竹(モウソウチク)の芽をいい、世界でも日本と中国だけが食用として利用するというオリエンタルな食材です。たけのこの漢字の由来は、成長が早く10日程で竹になるといわれていることから「筍」という字があてられました。(”旬”とは10日という意味)。日本に入ってきたのは1735年頃ですが、淡竹や真竹の若芽を山菜として以前から食べられていました。
旬は4~5月です。生のたけのこは旬の明確な食材で、特に季節感を大事にする日本料理では春の味覚として喜ばれます。新鮮なたけのこは独特のえぐみ成分であるシュウ酸が少なく、さっとゆがいただけの「筍の刺身」もいただけます。
選び方としては、形がずんぐりとした釣鐘型もので、外皮は薄茶色でしっとりとしていて毛ばだち、先端は黄色く、切り口が白くてみずみずしいものがよいでしょう。根元の赤い粒々が小さくて少ないものほどやわらかいです。
その独特な味わいの素となるアミノ酸のチロシンは、神経の伝達にかかわる物質をつくったり、代謝をコントロールする甲状腺ホルモンの材料になる大切な物質です。脳の働きを活発にし、アドレナリンやドーパミンをつくり、やる気を起こさせる作用があります。
また、食物繊維の量はごぼうや大根につぐ高レベル。腸内環境を改善し、生活習慣秒予防に役立ちます。
えぐみの素であるシュウ酸は、結石の原因となるといわれています。過敏になることはありませんが、結石症の人は食べ過ぎに注意しましょう。
たけのこのえぐみを増やさないためには、出来るだけ早くゆでることです。
その場合は皮を剥かず、ぬかを入れたお湯でゆでるといいでしょう。
ぬかにはシュウ酸を中和するとともに、酵素の働きで筍自体を柔らかくする作用があります。
ゆでタケノコ ……中2~3本
干しワカメ ……大さじ6(又は塩ワカメ・1/2~1パック)
木の芽 ……20~24枚
だし汁 ……3~4カップ
酒 ……大さじ4
みりん ……大さじ3
砂糖 ……大さじ2
塩 ……小さじ1
薄口しょうゆ ……大さじ2.5~3.5
鍋にだし汁、タケノコを入れ強火にかけ、煮立ったらアクを取る。
弱火にして<調味料>を加え、落とし蓋をして25~30分ゆっくり煮含める。
ワカメを加え1分煮て火を止め、器に盛り木の芽をのせる。
来月のテーマは、「かつお ~四季を感じる食~」です。