健康管理情報

あんこう ~四季を感じる食~

2006年2月号
更新)
四季を感じる食と食養生

あんこうは、愚かな魚と言う意味でついた名前が「暗愚魚」であり、あんこうの語源と云う説もあります。現在は、鮟鱇と書きます。

冬から初春が旬の時期です。美味しくなる時期は、水温の下がる冬のシーズンです。特に2月に味がよくなるといわれます。なぜなら、夏から秋にかけては深海に棲息し、冬に浅い所に移動し、産卵は4~7月に行われます。つまり、冬は産卵をひかえてたっぷり栄養を蓄え、肝に脂がのり、肥大化するからです。

北海道以南の日本近海に分布し、なかでも有名なのが茨城県です。あんこうの美味しさを表現するのに「東のあんこうに西のふぐ」「関東の河豚」、特に、あんこうの肝臓は「海のフォアグラ」という言葉がよく使われます。

あんこうは経済的な魚です。それは、捨てるところが無いからです。吊るし切りをして、内臓から皮まで全て食べることができます。 また、美味しく食べることのできる各部位を7つに分けられるので「あんこうの7つ道具」と呼ばれます。7つ道具は、「身、皮、肝、ヒレ、エラ、卵巣、胃」をのことを指し、それぞれの食感の違いが楽しめます。 7つ道具はいずれも、水っぽさを取るのと土臭さを抜くために、蒸すか茹でる等の下処理が欠かせません。

栄養

あんこうの身は、80%を水分が占める白身の低カロリーの魚です。一方で肝臓は脂質量が40%もありカロリーが高いです。しかし、その主な脂質はEPAやDHAなので、コレステロール値を下げ、血栓予防に効果的です。 また、ビタミンA、D、Eも豊富に含まれています。

調理方法

調理方法は主に鍋やから揚げがあります。
水を一滴もいれずにあんこうからでる水分とあん肝だけで作るどぶ汁も有名です。
肝の塩を振って形を整え、巻き簾に巻いて蒸し上げた「アンキモ」は、濃厚な味が酒の肴にぴったりです。

 

おいしいレシピ

あんこうの皮にはコラーゲンが多く含まれており、ビタミンCの多い食品と一緒に食べると肌がきれいになりますます。 今が旬のかぼすやゆず、すだちをかけてさっぱりおいしく食べましょう。
若竹煮
材料 (4~5人分)
  • あんこう(身と肝) ……600g

  • 豆腐 ……1丁

  • 大根 ……1/4本

  • にんじん ……1本

  • 春菊 ……1束

  • 長ねぎ ……2本

  • しいたけ ……8枚

  • ぎんなん ……8粒

  • 昆布だし ……5カップ

  • 味噌・しょうゆ・砂糖 ……各大さじ3

  • ……大さじ4

作り方

  1. 1

    あんこうを熱湯にくぐらせて霜降りにして、冷水に取ってざるにあげる

  2. 2

    豆腐はやっこ切り、大根、人参は半月切りにしてさっと茹でる

  3. 3

    春菊は葉先を摘み取り、しいたけは半分、長ねぎは5cmのぶつ切り、ぎんなんを爪楊枝に刺す

  4. 4

    なべにだし汁を入れ、味噌を溶き、砂糖、しょうゆ、酒を加えて煮立たせる

  5. 5

    あんこうを入れ、春菊以外の材料を入れてゆっくり煮る

  6. 6

    食べる直前に春菊を入れる

来月のテーマは、「たけのこ ~四季を感じる食~」です。