生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
香りには、こころとからだを健康にするはたらきがあるといわれます。
さまざまな香りを楽しみながらその効果を活用し、こころを豊かにするとともにからだのトラブルを解消しましょう。
柑橘系のすっきりとした香りは、消化器系の機能を高めますが、胃腸のみならず肝臓や胆のうの強化にも有効です。このことから、胆石などの解消にも役立つといわれます。
なかでも、みかんやオレンジ、グレープフルーツなどの柑橘系に含まれるリモネン(Limonene)という香りの成分は、交感神経を活性化して血行促進やエネルギー消費を高めます。特筆すべきは、脂肪分解酵素リパーゼの分泌を促して、脂肪を燃焼させることです。
また、ノルアドレナリンが分泌され、脂肪を消費するUCPというたんぱく質を増やすともいわれます。さらに、リモネンには、ビタミン類のはたらきを強化して、細胞を活性化させる作用もあるので、肌荒れやかぜの予防にも役立ちます。
グレープフルーツは、学名を「Citrus paradisi」といい、「パラダイス(天国・楽園)」が語源となっています。その名のとおり、甘酸っぱくみずみずしいさわやかな香りは、太陽の日差しのイメージを連想させます。まさに楽園のフルーツといえるでしょう。
グレープフルーツが沈んだ気分を高揚させるとしたら、同じ柑橘系のなかでも、オレンジは気分を明るくする、レモンはいらいらを冷静にさせる、ライムはこころを活気づける、マンダリンは不安を取り除く、ベルガモットは緊張を和らげる作用があるといわれています。
グレープフルーツの精油(コラム参照)は、脂肪の新陳代謝を高めるのと同時に、リンパ系を刺激して体液の循環を促進し利尿作用もあるので、むくみや冷えを解消します。また、からだの隅々に滞った疲労や痛みの物質を取り除くことができるので、疲労回復や筋肉痛を静めるのにも有効とされます。
グレープフルーツの精油(コラム参照)は、脂肪の新陳代謝を高めるのと同時に、リンパ系を刺激して体液の循環を促進し利尿作用もあるので、むくみや冷えを解消します。また、からだの隅々に滞った疲労や痛みの物質を取り除くことができるので、疲労回復や筋肉痛を静めるのにも有効とされます。
フェンネルもダイエット効果は抜群です。古代ギリシャでは、「痩せる」に由来して「マラスロン」と呼ばれ、減量効果のあるハーブとして使用されていました。なかでも、その種子は発汗作用と利尿作用に優れており、肥満の原因になる皮下脂肪や老廃物を排出してからだをすっきりさせます。食欲をおさえるはたらきもあるので、まさに一石二鳥です。
インドではフェンネルを外出前や食後に噛んで、エスニック調の独特な甘い香りで口臭を消したり、消化促進に役立てる習慣があります。
北欧では、ダイエットティーにしてむくみや水太りの肥満の解消をしたり、便秘のときや急な腹痛のときに利用されています。
aromaとは「香り」、therapyとは「療法」という意味です。
つまり、芳香療法ということです。 その始まりは、4000年前にもなります。古代エジプト時代、香りは宗教儀式の薫香や化粧、あるいはミイラを作るときの防腐剤として使用されていました。そして、その当時からも病気の予防や治療にも取り入れられていたのです。
このように、香りが持つさまざまな効果が注目され、イギリスやフランスで研究が進みました。さらに、誰もが活用しやすいように発展し、至るところで私たちの生活の身近な存在として活躍しているのです。
よくアロマテラピーで用いられている精油(エッセンシャルオイル)とは、植物の花や葉っぱ、果皮、樹皮などからエキスを抽出した純度の高い芳香物質のことです。
来月のテーマは、「② 香りでスッキリ ~香りのパワーでこころとからだをリフレッシュ~」です。