生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
神経症には次の5つの典型的な病型があり、それぞれ特徴があります。
それぞれ独立した症状でありながら、混合して現れたり、移行し合うこともあります。また、身体疾患に合併することもあります。
今回は、 5.妄想状態 を詳しく見てみましょう。
統合失調症(旧 精神分裂病)の初期に見られる状態です。思春期~30代の発症が多いといわれます。 各種妄想の中で一番多いのが関係妄想です。極端な生活の変化や孤独な状況におかれることなどによって、周囲の人から中傷されている、危害を加えられるなどと恐れを感じたり、身近な人を疑う気持ちを持ってしまうことがあります。 関係妄想をさらに深く意味付けすると、主に次のA~Kに分けられます。
肉親の急死や災害など、大きな精神的ショックの直後に一時的の呆然自失となる状態です。不安感や落ち込み、イライラ、高揚した気分などが交錯して現れますが、特に目立つ症状として、あたかもその出来事を「忘れたがっている」「ないことのしたがっている」というような反応を示します。これは、その出来事があまりにも衝撃的で、その直後に直面するのが困難なためにこのような症状となります。
災害や暴行、脅迫などの外傷的体験を伴う心理的ストレス(トラウマ)によって、数週間~数ヶ月以内にそのトラウマのフラッシュバックや夢の中での再体験を繰り返すことです。
警察あるいはある組織に尾行されている。
周囲の人の何気ない表情、態度、行動、言葉を今までとは違った新しい意味が含まれるように感じる。
配偶者や恋人が浮気をした(する)のではないか、自分は見捨てられるのではないかなどと愛情を持つ対象を失う不安から、事実に反することを確信するようになる。
特定の人から愛されていると一方的に確信している。そのため、対象となる人に執拗に接触し、相手が迷惑を感じていることに気付かない。
現実の自分よりも、はるかに偉大な人物、あるいは資産家であるなどと思い込む。
自分は神だ、などと思い込む
飲食物に毒が入っていると思い込む
自分は大統領の隠し子だ、自分の祖先は歴史上の有名な人物だ、などと思い込む。
自分の家族は本当の家族ではない、などと思い込む。
来月のテーマは、「こころのお医者さんへのかかり方 ~こころがもたらす体のサイン~」です。