生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
『心身共に健康な状態である!!』と確認することには、生活への安心や仕事への自信をもたらすという重要な意義があります。「予防にまさる治療はない」といわれるように、現代医学の重点が「治療」から「予防」へと変遷しており、セルフチェックやセルフケアが非常に求められる時代になってきました。ですから、定期的に健診などの検査を受けることが大切です。
しかし、健診の意義や検査値の評価に対する根強い疑問や不安、反対意見も多いのが現状です。また、この健診の検査成績から現状の健康状態の把握や生活状況を分析して、今後の日常生活に有効に利用することは必ずしも容易ではありません。
そこで、『今日からはじめる健康づくり』を通じて、ますます社会的・経済的構造が複雑化し、食生活が多様化するなかで、自分の力で健康な心と体を獲得するためにも、健診と検査値に関心を寄せてみましょう。
「健診」と「検診」。 よく似た言葉ですが・・・
「健診」とは「健康診断」または「健康診査」を略したものです。これは、現在の健康状態がどの程度かを特定し、リスクがあるかどうかを発見するものです。すなわち一次予防を目的として心身の健康を増進させるために行われます。
健診は、「どんな病気にかかっているのか」、「本当に病気かどうか」を見つけるのではなく、「病気の疑いのある人」を効率的にふるい分け、病気の可能性がある場合には、さらにどんな検査が必要かを検討することを目的にしているということを十分認識しておくことが大切です。そして、「受けなくてはならないから行く」のではなく、「この機会を上手に利用しよう」といった気持ちで積極的に活用しましょう。
など
乳幼児健診は乳幼児健康診査の略で、乳幼児を対象に病気の予防と早期発見、さらには健康の保持増進を目的として行っています。日本の乳幼児死亡率は世界で最も低く、平均寿命も飛躍的に伸びました。乳幼児健診はこれらに大いに寄与していると考えられています。
近年の乳幼児健診では、従来の疾病予防の考えから、核家族化や少子化傾向が進んだ今日の日本の状況をふまえ、若い両親が抱く子育ての不安や働く女性が抱える育児に関する問題への対処など、「心身ともにより健康に!」という一歩進んだ取り組みがなされるようになっています。
公費で実施される公的健診と私費による私的健診があります。公的には、1歳までの乳児期に2回以上と、1歳6カ月児および3歳児の健診を各市区町村が主体となって実施することになっています。
「検診」とは病気にかかっているかどうかを検査するために診察することです。これは、標的疾患があってその疾患を早期発見すること、すなわち、二次予防を目的とするものです。
など
あなたの基準値(あなたが健康なときの検査値)を知っておくことはあなたの身体の変化を早めに察知するのにとても大切です。しかし、いくら健診が有効でも正しい条件のもとで健診を受けないと活用することができません。
また、薬を服用している場合はその旨を検査医に伝えてください。
検査結果に異常が出たり検査できなくなる場合があります。
飲んでいる薬について、検査時に薬剤名を言えるようにメモしておきましょう。
検査が終わってから、服用できるように持参するとよいでしょう。
昨年異常がなかったからといって安心は禁物です。この1年の間に新しい病気の芽が出ている可能性があります。必ず年に1回は健診を受けましょう。
健診を行う施設によって、基準値(正常値とされる範囲)の設定に差があるので、ある病院では「基準範囲内の高め」と判定される数値が、他の病院では「異常値」となってしまうこともあります。毎年の健康診査は同じ医療機関で受けるようにすると、判定も一定なので正確に健康状態を把握できます。
また、むやみに医師を変えるのはやめましょう。治療を振り出しに戻し、新たに余分な医療費がかかることになりかねません。
時間を追った身体状況の変化がすぐ分かり、肝心なことを言い忘れてしまうのを防ぐことができます。あなたと医師の相互理解を深めるためにもきっと役立つでしょう。
初めて受診する医療機関へは、これまでに受けた健診の結果を持参すると良いでしょう。以前の数値と比較することで、今回初めてあなたの検査をした医療機関での健診結果が、あなたにとって正常値なのか、異常値なのかを判定しやすくなります。
健診は病気の早期発見だけでなく、日頃の生活習慣を見直す資料にもなります。健診結果は毎年保管して、今後の生活改善に役立てましょう。
時間を追った身体状況の変化がすぐ分かり、肝心なことを言い忘れてしまうのを防ぐことができます。あなたと医師の相互理解を深めるためにもきっと役立つでしょう。
初めて受診する医療機関へは、これまでに受けた健診の結果を持参すると良いでしょう。以前の数値と比較することで、今回初めてあなたの検査をした医療機関での健診結果が、あなたにとって正常値なのか、異常値なのかを判定しやすくなります。
健診は病気の早期発見だけでなく、日頃の生活習慣を見直す資料にもなります。健診結果は毎年保管して、今後の生活改善に役立てましょう。
緊張しすぎると血圧や心電図に変化があるなど、検査に影響が出ることがあります。緊張せず、落ち着いた気持ちで検査を受けましょう。
検査室に入る前に一度深呼吸してみるのよいでしょう。
「こんなことを聞いたら叱られるのではないか、嫌われるのではないか」と思って医師に質問することを遠慮していませんか?
自分の身体の状況をきちんと知っておくことは大切なことです。
係の人から指示があるまでは検査中です。検査がすべて終わるまで、勝手に飲食したりしないようにしましょう。
検査の合間に食べ物を食べたり飲んだりすると以後の検査値に影響が出たり、場合によっては検査ができなくなることがあります。
健診結果には基準値が記載されていますが、あくまでも検査値をみるための「めやす」です。基準値には健康な人の大部分が該当しますが、必ずしも健康か病気かを判断するための絶対的な基準ではありません。
また、同じ検査項目でも、検査方法によって検査値が違ってきますので、それに伴って基準値も検査機関ごとに異なります。そのため、毎年同じ健診機関で受診して前年と比較して体内で起こっている微妙な変化を見逃さないようにしましょう。
近年、「正常値」のことを「基準値」と呼ぶことが提唱されてきました。正常値というと、その値よりも多少はずれただけでも病気であると捉えがちです。しかし、実際は、この値をはずれても健康な人がいるのです。そこで、健康か病気かを判断する手がかりとして、正常値を基準値、基準範囲と呼ぶようになったのです。
健診を受けると、検査項目ごとに、あるいは健康状態全般について「判定」がでます。これは、単純に各検査の数値で決まるのではなく、問診や検査によって得られた情報に基づいた総合的な判断です。
来月のテーマは、「今日からはじめる健康づくり① 身体測定 ~検査結果の見方・生かし方~」です。