健康管理情報

肩こり・腰痛 -クスリになる食材あれこれ-

2004年2月号
更新)
気になる症状におすすめの食材

高いところにあるものを取ろうとして無理に手を伸ばしたとたん、肩に激痛が走ってそのまま動かすことができなくなったということはありませんか?もしかしたら五十肩かもしれません。

五十肩は名前のとおり、50歳代に多い症状ですが、40歳代や60歳代でも発症します。よくある肩こりとはどのような違いがあるのでしょうか。

肩こり

首から肩、背中の中央部を覆う「僧帽筋」という筋肉が緊張して固くなった状態。また、疲労物質の蓄積や血管の収縮による血行不良、自律神経の緊張なども影響します。張りや重みを感じるケースが多く、ひどい場合は痛みを伴うことも。

原因
労働過重 日常生活の中で重いものを持つなど、肩に負担をかける。
姿勢の悪さ 猫背は前に傾きがちな頭を僧帽筋が常に引っ張ることになる。
下着や靴のサイズが合わないと、上体のバランスが崩れ、僧帽筋が緊張する。
疾病 内臓疾患により痛みをこらえた結果、筋肉に力が入る。
その他 ストレスや疲れ目

 

五十肩

中高年期に入り、「肩がなんとなく変だな」と思っているうちに痛みがエスカレートしてくる場合と、無理な姿勢で肩を動かしたきっかけで突然激痛におそわれる場合があります。

原因

関節や靱帯が歳をとるにつれて柔軟性を失い、血液の循環が悪くなって炎症を引き起こした状態。上腕骨の動きを肩甲骨が邪魔するようになり、腕が上がらなくなってしまいます。

また、しばしば関節部分の腱や筋肉が傷つき、激しい痛みを伴うこともあります。五十肩も関節炎の一種。正式な名前を「肩関節周囲炎」といいます。肩の関節を形作る「上腕骨」と「肩甲骨」がぶつかりあって関節が傷つくことによって起こるのです。
(年をとると膝のトラブルが多く、水がたまって骨が変形することもあります)。

五十肩は放置しておいても1年くらいで自然に治るといわれていますが、何もしないでおくと癒着が残って肩の動きが悪くなります。
痛みが強い急性期と痛みがおさまった慢性期では日常生活での過ごし方が異なります。

対処方法
痛みが強い急性期
    痛み始めてから1ヶ月くらいの常に痛み

  • ポイント→冷やす
    • 初めの数日は、肩をひやして炎症を抑えます。冷すのは、痛みの激しい時だけで、痛みが落ち着いてきたら慢性期と同様に温めましょう。

 

痛みが治まった慢性期
    急性期から1ヶ月くらい経過し、激しい痛みが鈍い痛みに変わってくる

  • ポイント→温める
    • 慢性期には肩を温めることが大切です。ホットパック(ゼリー状の保湿剤が袋に入ったもので、電子レンジなどで温めて使用)やカイロ・入浴などで肩を積極的に温めましょう。
予防

肩こりは、普段からあまり体を動かしていない人や、長時間同じ姿勢をとるデスクワークの人などが比較的なりやすいといわれています。

年をとると誰もが身体の不調を抱えるものですが、腕と肩を普段から動かすことである程度は五十肩の発症を予防できます。

肩の関節をやわらかくするように毎日できるラジオ体操などの運動を続けていくとよいでしょう。お風呂にゆっくり入って肩を回したり、腕を上下する運動を行ってみましょう。

腰痛

肩こりと同様に、激しいスポーツや重いものを持ち上げたとき、肉体労働などで腰の筋肉を酷使したときに腰を痛めがちです。また、前かがみや直立した姿勢を続けていると、腰の筋肉に大きな負担がかかって腰を痛めることもあります。

運動不足や加齢のために腰の筋力が衰えている人は、腰にかかる負担がいっそう大きくなり、腰痛を起こしやすくなります。さらに、閉経後の女性には、骨粗鬆症で骨がもろくなり、圧迫骨折を起こす人がいます。そのため、背中が曲がったり、背中から腰にかけて痛みが起こります。

腰痛の原因となる内臓疾患として、腎臓結石や尿管結石、婦人科の病気も挙げられますし、腰痛を伴う病気には椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、骨粗鬆症があります。

背骨は1本の長い骨のように考えがちですが、椎骨と椎骨の間に椎間板があり、これがクッションの役目を果たして衝撃を和らげているのです。つまり、身体を支えている背骨は、椎骨と椎間板が連続的に積み重なる構造となっていて、緩やかにS字上のカーブを描くことで、体重の負担や外部からの衝撃を和らげているのです。

椎間板の中心は柔らかい組織で成り立っていて、その周囲を強靭な組織が囲んでいます。何らかの原因でこの強靭な組織に裂け目ができると、腰痛の原因になります。

筋肉強化のための運動

筋肉の強化には、筋肉を構成するたんぱく質が必要です。たんぱく質をとって背筋をつける体操をしましょう。

足を開いて、息を吐きながら、頭の重みを使って前屈する。

両手で片方の膝を抱え、引き上げる動作を交互にする。

椅子に浅く腰掛け、足を開いて、へそを覗き込むように背中を丸める。

上体を前かがみにして、息を吸いながら両手で腰を押し出す。

中腰になるときは、軽く膝を曲げる

椅子に座る時は足元に台を置き、股関節より足を高くする。

椅子に浅く腰掛け、足を開いて、へそを覗き込むように背中を丸める。

おすすめレシピ

いわしは健康食として注目を集めています。話題のDHAとEPAの含有値が高く、特に血栓を防ぐEPAが多く含まれています。 また、豊富に含まれるカルシウムは、リンとともに骨や歯の組織形成を助け、育ち盛りの子供や妊婦の健康づくりに役立ちます。そして、抗酸化作用を持つミネラル「セレン」の含有量 も多く、老化防止や癌の予防にも効果が期待できます。 さらに、いわしにはビタミン類も豊富に含まれています。ビタミンB1には、筋肉の疲れをやわらげる働きがあります。ビタミンEには、血液の流れをよくし、筋肉の緊張をとる働きがあるので、痛みをやわらげるのに役立ちます。また、ビタミンB1・B6・B12は神経ビタミンといわれ、神経がうまく働くために大切です。
いわしの揚げ団子 ショウガあん
材料 (4人分)
  • いわし ……600g

  • ショウガあん

  •  ショウガ ……15g

  •  豆板醤  ……小さじ2/3

  •  サラダ油 ……適量

  •  酒 ……大さじ1

  •  しょうゆ ……小さじ2

  •  赤味噌 ……小さじ1

  •  白ねぎ ……1/4本

  •  ショウガ汁 ……10g分

  • B

  •  チキンスープ ……1・1/3カップ

  •  酒 ……大さじ2

  •  しょうゆ ……大さじ2・1/3カップ

  •  砂糖 ……小さじ2

  •  酢 ……大さじ2

  • 揚げ油 ……適量

  • カイワレ菜 ……1/4パック

  • 水溶き片栗粉 ……適量

作り方

  1. 1

    いわしは頭と内臓を取り除き、手開きにする。背びれと尾を取ってすり身にする。

  2. 2

    白ねぎはみじん切りにしてAをつくり、①と合わせて16個の団子を作る。

  3. 3

    ②を中温の油で揚げる。

  4. 4

    ショウガあんを作る。細切りのショウガと豆板醤を油で炒め、Bを加える。 水溶き片栗粉でとろみをつける。

  5. 5

    器に③を盛り、④をかけてカイワレ菜を散らす。

来月のテーマは、「今日からはじめる健康づくり ~健診・検診~」です。