生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
年末年始が迫ってきました。この時期は、いつもよりも仕事が忙しくなり、その上、楽しい集いが多くなります。胃のコンディションを整え、準備万端で乗り切りましょう。
胃はみぞおちの左側にあり、ゴムのようによく伸び縮みする袋状の臓器です。3層の筋肉でできていて、内側は粘膜で覆われています。胃に食べ物が入ると、粘膜の表面から塩酸(pH1.0の強酸性)やペプシノーゲンを含む胃液が分泌されます。
しかし、胃そのものは胃の粘液が膜となって胃壁を胃酸からしっかり守ってくれるので、溶けてしまう心配はありません。
万が一、粘膜が傷ついても、胃にはいたるところに血管が走っているので豊富な血液に恵まれています。血液からすばやく栄養を受け取って新しい細胞を作り、粘膜はすぐに修復されます。
胃液は胃に食べ物が入ったとき以外にも分泌されます。それは、おいしそうな食べ物を見たり、ジュージューなどの調理中の音を聞いたり、ごちそうのいい匂いがしたときです。
五感がキャッチした「おいしそう」という情報は、副交感神経に伝わり、脳がそれを受けて胃液を分泌させます。
悩みがあったり緊張状態が続くと、食欲がなくなったり胃が痛くなることがあります。
胃は、一番ストレスのダメージを受けやすい臓器です。ストレスを受けると、胃の血管が収縮して胃壁を守る粘液の分泌がぐっと減少します。そのため、胃液に含まれるたんぱく質分解酵素の作用を受けて、粘膜が傷ついて出血します。
この状態が長く続いたり何度も繰り返されると、酵素の作用が胃壁の深い部分にまで達して潰瘍になるのです。
胃の中が空っぽの状態が長く続くと、胃液の分泌が高まり、胃が荒れる原因になります。
朝食や昼食を抜いたりしないで、規則的に食事をするように心がけましょう。
噛むという行為は消化の第一歩。
よく噛むほど、食べ物が細かくなり、唾液と混ざり合って胃の中で消化しやすい状態になります
お酒は、少量であれば食欲増進やストレス解消に役立ちます。
しかし、強いお酒をストレートで飲んだり、すきっ腹に飲んだりすると、胃が荒れることもあります。休肝日を設けましょう。
また、おつまみとしては、ピーナツなどの消化の悪いものより、胃の粘膜の再生に欠かせないたんぱく質を多く含む豆腐やチーズ、野菜、赤身肉、魚などがおすすめめです。
炒め物や揚げ物など、油を使った料理も消化が悪く、塩辛いものや香辛料などの刺激物、極端に熱いものや冷たいものも胃に負担がかかります。
「おいしそう」の情報を受けて胃が条件反射で活動をしている音です。
空っぽの胃が動いたはずみで、胃の中の空気が腸に送り出されて音が鳴るのです。腹の虫の泣き声は、胃腸が健康なしるしだったのです。
胃の上部はガスがたまりやすい構造になっています。ビールやソーダ水を飲むとすぐに炭酸がたまりますが、食事やおしゃべりをしたときに一緒に飲み込んだ空気もたまることがあります。
ヨーロッパや日本では、ゲップはマナー違反の対象となりますが、中国では食事がおいしかったサインだと考えられているそうです。
えび ……6尾
やまいも ……中程度の大きさのもの10cm
グリンピース ……適量
酢 ……大さじ1
しょうゆ ……大さじ2/3
みりん ……小さじ1/2
長いもは皮をむいて酢水に20分ほど浸してからさいの目に切る。
えびの足と背わたをとり、洗ってから酒・塩各少々を加えた熱湯で茹でる。その後、殻をむいて3等分に切る。
グリンピースは塩茹でする。
鍋に②と③を並べ、調味料を合わせて加え、落し蓋をして弱火で15分ほど煮含める。
ボウルに酢、しょうゆ、みりんを入れてよく混ぜ合わせ、①~③を和える。
来月のテーマは、「老化防止 「目」 -クスリになる食材あれこれ -」です。