健康管理情報

下痢 -クスリになる食材あれこれ-

2003年9月号
更新)
気になる症状におすすめの食材

下痢とは、便に含まれる水分が異常に多くなり、大便が棒状の形をしないまま排泄される状態をいいます。

軽いものは軟便、ひどくなると水様便といわれます。

下痢の原因

  1. 消化吸収障害
    胃腸での消化吸収作用が低下することで下痢を起こします。
    胃の切除や膵臓病による消化酵素の分泌低下に伴う消化力低下、小腸切除による吸収力低下により引き起こされます。
  2. 分泌亢進
    さまざまな原因により腸に炎症をきたし、その粘膜から水分や塩分、たんぱく質が漏れ出して便が水っぽくなります。
    ※ 代表的なもの :細菌やウイルスによる感染性腸炎
  3. 運動亢進
    腸のぜんどう運動が活発になり過ぎて、食べたものを充分に消化吸収する間もなく、大腸に送られ、水っぽいまま排泄されてしまう。
    ※ 代表的なもの :ストレスによる過敏性腸症候群・甲状腺機能亢進症

下痢が急激に起こると、水分と塩分が体外に排泄されてしまい、からだのバランスを崩します。
比較的短期でも、炎症や出血が強いとたんぱく質が不足しますが、長期にわたると栄養不足になってやせてきます。

下痢を解消する食事

急性の下痢には・・・

短期間で改善するので、栄養補給にこだわらず、水分や塩分の補給につとめましょう。
下痢が改善してきたら、おかゆやうどんなど消化のよいでんぷん質の食品を摂りましょう。

慢性の下痢には・・・

下痢が続くと、ついおかゆに梅干しのようなあっさりした食事になってしまいます。
しかし、これでは栄養不足になりやすいため、下痢を助長してしまいます。
たんぱく質、ビタミンなどを充分に含んだ高栄養消化吸収がよいものを選びましょう。

下痢の症状がみられる時に控えめにしたい食品

食物繊維の多い食品

海草、きのこ、こんにゃく、野菜、果物等。
消化が悪く、腸管を刺激するので下痢を助長してしまいます。

刺激が強く腸管壁に刺激を与える食品

香辛料、コーヒー、アルコール飲料、炭酸飲料、また、にんにく、たまねぎ等の野菜類。
特に男性にみられる下痢の多くはアルコールによるものが多いようです。

腸管で発酵しやすい食品

豆、いも、かぼちゃ、栗、バナナ等。
ガスを発生して腸管を刺激するので控えましょう。

おすすめレシピ ~下痢を改善する食事~

材料 (4人分)
  • 鶏ひき肉 ……100g

  • 豆腐(木綿) ……1丁

  • にんじん ……1/2本

  • キャベツ(大) ……6~8枚

  • たまねぎ ……1/2個

  • ……1個

  • 酒・しょうゆ ……各少々

  • ……少々

  • A

  •  スープブイヨン ……1個

  •  水 ……4カップ

  •  ローリエ ……2枚

作り方

  1. 1

    キャベツの葉は湯がいて、茎の硬い部分を包丁で削り、水気を切る。

  2. 2

    にんじんとたまねぎをみじん切りにする。

  3. 3

    豆腐はふきん、またはペーパータオルにつつんで重石をして水気をよく切り、手でほぐす。

  4. 4

    鶏ひき肉に豆腐とにんじん、たまねぎを加えて混ぜる。

  5. 5

    ④に溶きほぐした卵を加え、酒、しょうゆをいれてよく混ぜる。

  6. 6

    キャベツの葉に⑤を乗せ、手前が茎になるようにして巻く。

  7. 7

    なべに巻き終えた部分が下になるようにして⑤をきちっと並べる。

  8. 8

    ⑦にAを加えて落し蓋をして、中火で15分ほど煮た後、塩で味を調節する。

来月のテーマは、「むくみ -クスリになる食材あれこれ-」です。