健康管理情報

高血圧 -クスリになる食材あれこれ-

2002年11月号
更新)
気になる症状におすすめの食材

高血圧の原因には、肥満や遺伝、精神的・肉体的ストレスなどがありますが、食塩の摂り過ぎによる影響も大きく、減塩することによって血圧が改善されることもあります。

塩分と血圧の関係

細胞の内部にはナトリウム、外部にはカリウムが多く存在し、その濃度は一定に保たれています。しかし、ナトリウムを多く摂取することが続くと、細胞内のナトリウム濃度が高まり、水が取り込まれて血管壁に浮腫が起こり、血管内部が狭くなって血圧が上昇します。また、血液中にも水分が引き込まれて循環血液量が増加し、血圧が上昇します。

高血圧には自覚症状がないために放置されやすい病気ですが、高血圧の状態が続くと、心臓、腎臓、脳血管などの障害が起こり、合併症を引き起こします。

上手に減塩しましょう ~ 薄味のコツ10 ~

  • 食塩の量が多いと素材独自の持ち味が損なわれてしまいます。旬の食材を摂り入れ、風味を生かすためにも減塩をしましょう。
  • 調味料は計量しましょう。減塩しょうゆや減塩味噌を使っても、自分の味覚に頼った味付けではいつもの濃い味になってしまいます。また、調味料は食品にかけるより、小皿にとってつける方が食塩の摂取量が少なくなります。
  • レモン、ゆず、すだちの酸味を利かせましょう
  • 三つ葉、しそ、しょうがなどの香味野菜の味でアクセントをつけましょう。
  • 香辛料を利用しましょう。
  • アーモンドやクルミ、ピーナッツ、ゴマの風味を生かしましょう。
  • ダシの風味を利用しましょう。昆布、かつお節、干し椎茸のだしはほとんど塩分がありません
  • 油でコクを出しましょう。油というと揚げ物や炒め物と考えがちですが、煮物、汁物の仕上げに ひとたらし するのもよいでしょう。
  • 肉や魚、野菜などに軽く焼き目をつけて、香ばしさを味わいましょう。
  • どれも薄味だと満足感がないので、塩分を一品に集中して使うとよいでしょう。
  

血圧をコントロールする食材

そば

高血圧は、動脈硬化によって血管の弾力性が低下し、血管の内腔が狭くなったことから生じます。この血管の老化を止めるのが、そばに含まれるルチンです。

この他にそばにはコレステロールをさげるナイアシン、食物繊維も多く含まれます。ただし、これらの成分は水に溶けやすい性質なので、そばを茹でるとお湯に溶け出してしまいます。

茹でて食べる時は、茹で汁を捨てずに調理に使ったり、そば茶やそばがきとして摂り入れるとよいでしょう。

りんご

塩分を多く摂ると、体内にナトリウムが蓄積されて高血圧になります。ナトリウムを尿と一緒に排泄してくれるのがカリウムです。

りんごはカリウムを多く含み、血圧の低下が期待できます。

 

じゃがいも

じゃがいもの主成分は炭水化物ですが、ビタミン類やカリウム、マグネシウム、食物繊維なども含まれ、栄養価の高い食材です。

フランスでは「大地のりんご」と呼ばれています。

なす

なすにはルチン、ヘスペリジンなど、細い血管を強化する成分が含まれています。

 

おすすめレシピ

血圧をコントロールできる 「なす」 を食べましょう
なすの重ね焼
材料 (4人分)
  • なす ……4本

  • しめじ ……1パック

  • サラダ油 ……適量

  • 白ワイン ……適量

  • 醤油 ……適量

  • おろし生姜 ……適量

  • レモン汁 ……適量

作り方

  1. 1

    なすはしま状に皮をむき、へたを落として縦に四つ割にして水にさらす。

  2. 2

    シメジは石づきを落としてほぐし、さっと洗って油少量で炒める。

  3. 3

    フライパンに油をしいて①を並べて両面焼く。

  4. 4

    半分のなすに②をのせ、その上に残りのなすを重ねてサンドイッチにする。

  5. 5

    ④に白ワインをと醤油を合わせたものをかけ、フライパンを動かしながらアルコールを飛ばす。

  6. 6

    仕上げにおろししょうが、レモン汁をかける。

来月のテーマは、「低血圧 -クスリになる食材あれこれ-」です。