健康管理情報

貧血 -クスリになる食材あれこれ-

2002年10月号
更新)
気になる症状におすすめの食材

貧血にはいろいろな病型がありますが、最も多いのは鉄欠乏性貧血で、成人女性の5人に1人は慢性的な貧血だといわれます。その理由は、毎月の月経や妊娠、出産、授乳などで鉄分の消費が多くなったり、無理なダイエットによる栄養不足によるものです。

貧血度チェック

  1. 現在ダイエットをしている
  2. からだがだるい
  3. 動悸や息切れがする、疲れやすい
  4. 下まぶたの赤みが欠ける
  5. 爪がスプーン状に反り返っている

鉄を含む身近な食べ物・食事の工夫

鉄分を含む食品と吸収を高める栄養素を組み合わせましょう

食品に含まれる鉄には、動物性食品に含まれるヘム鉄と、植物性食品に含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄は小腸から吸収されますが、非ヘム鉄はタンパク質やビタミンCと一緒に摂らないと吸収されにくい性質があります。

 

鉄もタンパク質も多い食品(数字は1回使用量あたり)

 

食品名 たんぱく質
豚レバー(50g) 6.5mg 10.2g
鶏レバー(50g) 4.5mg 9.5g
牛ヒレ肉(100g) 2.6mg 21.4g
あさり(150g) 4.1mg 5.1g
わかさぎ(50g) 2.6mg 8.6g
カツオ(100g) 1.9mg 25.8g
木綿豆腐(100g) 1.4mg 6.8g
 
鉄もビタミンCも多い食品(数字は100gあたり)

 

食品名 ビタミンC
パセリ 9.3mg 200mg
ホウレンソウ 3.7mg 65mg
小松菜 3.0mg 75mg
菜の花 2.7mg 120mg
ブロッコリー 1.9mg 160mg
 
酸味・辛味を取り入れましょう!

酢や香辛料などは、胃粘膜を刺激して胃酸の分泌を高め、鉄の吸収をよくします。また、よく噛んでたべることも、胃酸の分泌を促進します。

鉄製の鍋やフライパンを使いましょう

鉄鍋などの鉄が少しずつ溶け出して、鉄分が摂取できます。

食前・食後には・・・

緑茶、コーヒー、紅茶には、タンニンが含まれています。タンニンは鉄と結びついてタンニン鉄となり、吸収が悪くなってしまいます。ほうじ茶やウーロン茶がオススメです。

ビタミンB12と葉酸

いずれも赤血球をつくるのに大切なビタミンです。不足すると赤血球細胞がうまくつくれなくなることもあります。

ビタミンB12を多く含む食品 ブロッコリー・ほうれん草・トマト・キャベツ・ピーナッツ・バナナなど
葉酸を多く含む食品 牛レバー・豚レバー・ほうれん草・大豆・じゃがいも・ブロッコリー など

貧血対策メニュー

レバーのしそ揚げ
材料(1人分)
材料 分量
鶏レバー 75g
下味(しょうゆ・酒) 各小さじ1/2
衣(小麦粉・水) 各大さじ1
青じそ 3枚
作り方
  1. レバーは血抜きをして一口大に切り、下味をつける。
  2. 青じそはせん切りにしておく。
  3. レバーの汁気を切って衣をつけ、青じそをまぶす。
  4. 170~180度の揚げ油で、1~2分揚げる。

※このほか、香辛料(カレー粉、さんしょうなど)や香味野菜(にら、しょうがなど)を上手に使うと、レバーの臭みが苦手な人でも食べやすくなります。

ひじきの五目煮
材料(1人分)
材料 分量
ひじき(乾燥) 8g
大豆の水煮(缶詰) 20g
凍り豆腐 1/2枚
にんじん 20g
サラダ油 小さじ1
だし 水3/4カップ+顆粒だし小さじ1/5
砂糖 小さじ2
しょうゆ 小さじ1強
作り方
  1. ひじきは洗って20分程水に浸してもどした後、ざるにとって熱湯をかける。
  2. にんじんは短冊切り、凍り豆腐は戻して小さく切る。大豆は水を切っておく。
  3. 鍋ににんじんを入れて油で炒め、残りの材料も入れて炒める。
  4. だしを加えて5分煮た後、調味料を加えて煮上げる。

来月のテーマは、「高血圧 -クスリになる食材あれこれ-」です。