生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
体の中をめぐっている血液は、様々な組織や細胞からの不要物を腎臓に集めます。腎臓で濾過された不要物は尿として体から排出されます。
尿の中には様々な不要物が含まれていて、その不要物は、体内で起きた様々な現象の結果となります。
見ただけで血尿と分かる、真っ赤な色や濃い褐色の尿が出ます
顕微鏡検査によって血液が尿に混入していることが分かります
試験紙によって赤血球の有無を検討します
尿に試験紙を浸してすぐに引き上げ、比色紙に照らし合わせます。
出血の反応があれば試験紙の色が変化する。反応が強いほど、色が濃く変化します。
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さらに詳しく検査します。
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尿を試験管にとり、遠心分離機(毎分1500回転で5分間)にかけて、尿を液体と固体に分ける。試験管の先にたまった沈殿物(尿沈渣)を顕微鏡で調べます。
200倍の倍率で沈殿物を観察し、赤血球や白血球の数を数えます。
赤血球/白血球数 | 診断 |
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赤血球5個未満、白血球1~2個 | 正常 |
赤血球5個以上が持続してみられる | 顕微鏡的血尿 |
白血球10個以上 | 腎臓や尿路に感染 (このような尿をのうにょう膿尿と呼ぶ) |
尿は腎臓でつくられます。
腎臓に運び込まれた血液が濾過され、体にとって不必要となった物質を含んだ液体、つまり尿がつくられます。
腎臓でつくられた尿は、腎盂と尿管を通って膀胱にいったん溜められそこから尿道を通って排出されます。
血尿はこの腎臓から尿道に至る経路のどこかで血液が混入したと考えられます。 血尿が出たら、内科か泌尿器科を受診しましょう。
血尿の色によってどのあたりに病変があるか、見当をつけることができます。
膀胱の出口に近い部位(尿道や膀胱)などで血液が混入している可能性があります。
血液と尿が混ざってから出てくるまで時間がかかるので、腎臓に病変があると考えられます。
→急性腎炎・・・糸球体から出血。赤血球の増加。
→膀胱炎・・・細菌感染によるもの。白血球の増加。
→腎盂腎炎・・・細菌感染によるもの。白血球の増加。
→尿路結石・・・結石によって尿の通り道のどこかを傷付け、血液が混入。
赤血球の増加。肉眼的血尿が起こることもある。
(尿路結石は、結石のある部位によって、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石ともいう)
※尿潜血は敏感に反応するようになっているので、陽性でも病気以外による腎臓からの出血も考えられます。ただしガンによる血尿も無症候性の血尿なので注意が必要です。
→ 肉眼ではっきり分かる血尿が2~3回から数日続き、ぱったり出なくなることもあります。必ず最初に血尿が出た時点で、すぐに泌尿器科での検査が必要です。尿中にガン細胞が含まれているかどうかを調べます。
来月のテーマは、「出血 ~血便~ -気になるからだの危険信号-」です。