生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
皮膚にさまざまな発疹が現われて、強いかゆみをともなう状態をいいます。
以下の症状が混在して現われるのが特徴です。
紅斑(皮膚が赤くなる)や、丘疹(小さなブツブツ)、小水疱(小さな水ぶくれ)、落屑(角質がポロポロ落ちる)などがあり、これらが混在して現れます。これを「湿疹三角」と呼びます。
境い目のはっきりした、みみず腫れのような皮疹が急激に全身に広がり、激しいかゆみをともなう状態をいいます。
人間の体には、体内に侵入した異物(アレルゲン)を排除して体を守る働き(免疫)があります。この免疫が過剰に働き、体にとってマイナスに作用するのがアレルギー反応です。
皮膚に特定の物質が触れることで起こる。アレルゲンの代表としてアクセサリー、化粧品、植物がある。
アトピー体質といって生来的にアレルギーを起こしやすい。一般にダニやハウスダスト、食べ物がアレルゲンとして知られている。
皮膚は人体の表面を広く覆っており、外部からの刺激や有害物質の侵入を防ぐバリアの働きを持っています。
そのバリアとなるのが皮膚の一番外側にある角質層ですが、汗や皮脂などの分泌異常や空気の乾燥によってバリアに異常が生じると、体外から異物が侵入しやすくなります。
皮脂分泌過剰によりバリアが障害される。乳児期や思春期に多い傾向にある。
皮脂や汗の分泌が減り、バリア乾燥を招くもので、「乾皮症」ともいう。冬に発症することが多く、主に手足や肩に症状が現われ、ひどくなると皮膚の表面がひび割れることもある。
老人性の皮膚変化のひとつでもあるが、最近ではエアコンによる空気の乾燥、体の洗い過ぎなどの生活環境や習慣が大きく影響して、若い女性にも増えてきている。
主婦など水仕事の多い人が洗剤やゴム手袋などに繰り返し触れることで起こるものをいう。
目で病状を確認することが大切。似たような症状でも、湿疹ではないこともあるので、素人判断は禁物。
アレルゲン物質を調べる検査。様々な物質の抽出液をつけたシールを皮膚に貼り、48時間後の反応を調べる。アレルゲンとなる物質に触れた場所は、赤くなるなどの皮膚変化がみられる。
アレルギーがある場合は、血液中の白血球に変化がみられる。
一ヶ月以内に治るものを指します。急に強い症状が現われ、一週間くらいで治ります。
一ヶ月以上続くものを指します。一回一回の症状はそうひどくありませんが、一日のうちである時間にだけとか、やわらかい皮膚にだけちょっとできることが多く、症状がいつまでも続きます。
・食物(食品添加物)
・ダニ、カビ,ハウスダスト、花粉
・薬物
物理的な刺激が原因となる。
(例 ベルトやハンドバックの圧迫、下着の締め付け)
皮膚を軽く引っかくと、その部位だけ赤く腫れてくる。皮膚に図形や文字が描けるのでこのように呼ばれる。
温度差の刺激によって症状が現われる。温かい湯につけていた部位だけにじんましんが出たり、冷たい風にさらされた顔や手だけにじんましんが出たりする。
紫外線を浴びた部位にできるじんましんで、特に春から夏にかけて衣類から出ている部位に起こる。
発汗と関係のあるアセチルコリンが原因となり、直径2~3mmの小さなぶつぶつが汗をかいたところにびっしりできる。
また、「冷や汗をかく」「手に汗にぎる」という言葉があるが、人間の体は緊張や精神的ストレスによって汗をかくこともあるので、こういった場合にもコリン性じんましんができることもある。
あせもと間違われることがある。
(あせもはいったんできると数日は消えないが、コリン性じんましんは数時間のうちに跡形もなく消える)。
アレルギー性じんましんは、スクラッチテストで検査。原因と思われる物質を液体にして、皮膚に少し傷をつけてこれをたらし、皮膚の状態を観察。15~20分経ってその部位に膨疹(赤いふくらみ)ができれば、その物質が原因と判定できる。
疑わしい物質をピックアップするためには、いつどんな時にじんましんが起こるかなど、常に自分の生活に注意し、医師に話すことが大切。原因が分かるまで根気よくテストを繰り返さなければならないので、原因物質の究明には患者の積極的な協力が必要となる。
来月のテーマは、「出血 ~鼻血~ -気になるからだの危険信号-」です。