生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
かつて、ベートーベンは激しい耳鳴りで苦しんだといわれています。耳鳴りは患者によって感じ方が違うので、客観的にはわかりません。しかし、本人にとっては、たとえ生命に危険のないものであっても、不愉快なものであり、精神的苦痛となるのです。
人間は、空気中を伝わってくる振動を耳で音としてとらえ、それを脳へ伝えて認識しています。耳には、外耳、中耳、内耳と3つ分けられますが、聴覚では、この3部分すべてが聴覚に関係しています。
耳鳴りには、いろいろと感じ方があります。原因によって音の調子が異なってきますので、それによって原因がある程度考えられます。
原 因 | 病 名 |
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内耳 | 突発性難聴: 30~50歳に多く、原因不明である日突然起こる。片側の耳だけに起こる場合が多い騒音性難聴: 職業性難聴とも呼ばれる。長期間、騒音にさらされて内耳感覚細胞や蝸牛神経が障害されて起こる 老人性難聴: 中毒性難聴: メニエール病: |
中枢性 (内耳の奥~脳) |
聴神経腫瘍: 前庭神経に腫瘍ができて、血管を圧迫して血流が悪くなるため、急激に難聴が起こる脳血管障害 |
全身性 | 高血圧、低血圧、動脈硬化、糖尿病、貧血、心臓病、ストレス |
原 因 | 病 名 |
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内耳 | 急性中耳炎: 中耳の粘膜に細菌が感染し、鼓膜が炎症をおこす真珠腫性中耳炎: 鼓膜の一部が破れて中耳側に入り込み、袋状のものを形成し、その中に皮膚のアカがたまる 滲出性中耳炎: 耳硬化症: |
月に一度くらいの頻度で5~10秒間くらいの耳鳴りであれば、ほぼ心配はいりませんが、数時間続いたり、たびたび起こったりするようであれば、きちんとした検査を受けましょう。
耳鳴りを完全に治すことは難しいといわれています。しかし、症状を軽くすることはできます。そこで、なくすことを考えるのではなく、上手につきあって気にならずに日常生活が送れるようにすることが大切です。
来月のテーマは、「吐き気 -気になるからだの危険信号-」です。