生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
私たちは、息切れを感じると年齢のせいだと考えがちです。
確かに、運動をしたあとは、もっと空気を吸うようにとからだが要求しているために、誰でも息が苦しいと感じるので、問題はありません。
しかし、ふだんの生活でも息が切れる場合は、呼吸器や心臓などの病気が原因であることがあります。
今まで気にとめていなかった息切れを、ここで意識してみましょう。
口から吸い込んだ空気は、気管を通って肺に運ばれます。肺の肺胞というところで酸素(O2)を血液中に取り入れて、代わりに血液中の二酸化炭素(CO2)を排出するガス交換が行われます。酸素を受け取った血液は、心臓へ戻って前進へ送り出されます。
つまり、気管や肺、心臓に障害があると、このガス交換がうまくいかずに、息切れを起こすようになってしまうのです。
※1 肺梗塞とは
心臓から肺へ血液を送る肺動脈に、血液のかたまりがつまり、肺へ血液が流れなくなった状態。
※2 肺水腫とは
血液中の液体成分が血管の外に、しみ出てしまい、肺の組織に水分がたまった状態。
※3 自然気胸とは…
肺に袋状のものが発生し、それが破れて肺がしぼんでしまい、膨らむことできなくなった状態。
※4 肺線維症とは
肺の組織が繊維化してひきつれの状態を起こしたもの。
※5 胸膜炎とは
胸膜に炎症が起こり、胸水の量が増えて胸膜腔にたまった状態。
※6 肺気腫とは
肺胞と肺胞を仕切る壁が壊されて、肺胞どうしがくっつき、1つ1つの肺胞が大きくなって酸素が取り入れにくくなった状態。
腹式呼吸は、最低限のエネルギーで効率の良い呼吸ができるので、気管支炎や気管支ぜんそく、肺気腫などで肺の機能が低下している人は、ぜひマスターしておきましょう。
健康な人が行っても、横隔膜と腹筋が鍛えられて良いです。
腹式呼吸の方法→バックナンバーをご覧下さい。(2000年2月号)
来月のテーマは、「耳鳴り -気になるからだの危険信号-」です。