生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
普段どおりに生活を送っているのに、ふと急にめまいを感じたことはありませんか?めまいにはいくつか種類があり、原因もさまざまです。めまいは、治療を受けていてもなかなか治らないものなので、不安になる人も多いでしょう。そこで、今回は、めまいについて説明します。
自分や周囲が回っているように感じる
自分がふわふわしているように感じたり、地面が揺れているように感じられる
立ち上がったときに眼の前が暗くなり、ふらふらする
耳は、外耳、中耳、内耳の3つの部分から成り立っています。耳というと、音を聞くという聴覚の働きしかないと思っている人がいるかもしれませんが、内耳には、平衡感覚にかかわる働きもあるのです。つまり、からだがどのような姿勢でいるのかを感じ、脳に伝えて倒れないように体のつりあいを保つ役割をしています。この内耳が障害されると、バランス感覚が失われてめまいが起こってきます。
原因 | 内耳の前庭系の障害 |
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めまいの種類 | 中枢神経系(大脳、小脳、脳幹)の障害 |
症状 | 血液疾患(貧血)、自律神経失調、精神障害、代謝障害 |
めまいの発作時間 | 20分~数時間 |
予防 | 過労(精神的な疲労)、夜更かし、睡眠不足を避ける 塩分を控えめにし、バランスの良い食事をする 禁煙 |
原因 | 不明 (内耳への血液循環の悪さ、またはウイルス感染によって引き起こされると考えられている) |
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めまいの種類 | 回転性(再発はしない) |
症状 | 難聴、耳鳴り |
めまいの発作時間 | 1~3日 |
予防 | 過労(精神的な疲労)を避ける 風邪をひいたときは、安静にする |
原因 | 不明 |
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めまいの種類 | 回転性(または浮動性) 頭を動かしてある特定に位置にもってくると起こる |
めまいの発作時間 | 数分 |
前庭神経:からだのバランスを感じとる内耳から脳へ情報を伝える神経
原因 | 不明 (風邪などのウイルス感染の病気に続いて起こることが多いので、 ウイルス感染によって前庭神経が炎症を起こして機能が低下すると考えられている。 内耳にあるリンパ液が過剰にたまって引き起こされると考えられている) |
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めまいの種類 | 回転性(1回だけで治まることがほとんど) |
めまいの発作時間 | 数日~1週間 |
めまい(浮動性のものが多い)とともに、
などの症状がある場合、脳に障害があってめまいが起こる病気[血管障害(椎骨脳底動脈不全、脳卒中)や腫瘍]が考えられます。生命の危険なものもありますので、注意しましょう。
内耳性めまいの場合 | 中枢性めまいの場合 | |
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性質 | 回転性めまい (浮動性めまいのことも有) |
浮動性めまい (浮遊感、ふらつき) |
おこり方 | 発作性または反復性 | 持続性 (血管障害の場合は 発作性または一過性) |
持続時間 | 一般に短い (数秒から数時間) |
一般に長いが、 短いこともある |
誘因 | 頭の位置や頭の運動により誘発 | 血圧の急激な変化、 くびの運動により誘発 |
随伴症状 | 難聴、耳鳴りを伴うことが多い | 手足の麻痺、 口のもつれ、 しびれなど。 階段を降りることができない、 歩行障害など。 |
意識 | 正常 | 障害されることがある |
自律神経症状 (吐き気・嘔吐、冷や汗) |
めまいの強さに比例する | めまいの強さに比例しない |
来月のテーマは、「息切れ -気になるからだの危険信号-」です。