生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
前回までは、自然治癒力をテーマとして、如何に病気にならないように自然治癒力を高めるかをご説明してきました。
一般的に病気にかかる前兆として様々な症状がからだに現れるものですが、その兆候を見逃すと手遅れとなる場合があります。
そこで、今回からは、からだの危険信号を早く発見して、病気の予防および早期治療をテーマに話していきます。
『 気になるからだの危険信号 』 第1回目は「頭痛」です。 頭痛は、誰もが日常的に経験するもっとも頻度の高い症状の1つです。 放っておいても心配のないものから、生命の危険性に及ぶ重要なものまで様々あります。
本人の不快感を別にすれば、頭痛の約8割は心配のないものであるといわれています。
天候、精神的なストレス ( 緊張、過労、人間関係、不眠など ) などによる筋肉の緊張・収縮。
入浴、マッサージなどをして筋肉をほぐす。
脳内の血管の過度な拡張。
疲労、不眠、ストレス、環境の変化。
アルコール、コーヒー、チョコレートなどの摂り過ぎが原因となることもある。
十分な睡眠をとる。
過労、ストレス、飲酒、喫煙。
特定の食べ物で誘発されることもある。
禁煙
椎間板ヘルニアなどで、首や背中の骨の構造の異常が起こり、脊髄や脊髄から出ている神経が圧迫されて起こる。
温めて血行を良くする。
緊急の治療を要する頭痛は、たいていが重い病気の症状として現れます。頭痛以外にも病気らしい症状を伴うことが多いです。
脳卒中の一種。脳を覆う3種類の膜-「 硬膜 」 「 くも膜 」 「 軟膜 」-のうち、くも膜に沿って走る血管が破れて出血する。
血圧の影響が強く、高血圧の人は要注意。
バットで頭を殴られたような激しい痛みが突然起こる。
数日から数週間続く。
吐き気、嘔吐
脳の動脈の一部が破れ、脳のなかに血液があふれ出る。 あふれ出た血液が固まって塊ができ、脳が圧迫されたり破壊されたりして脳の働きが障害される。
突然頭痛が始まり、徐々に強くなる。
吐き気、嘔吐、意識低下、運動麻痺、感覚障害、言語障害
脳に腫瘍(突然変異した細胞の塊)が発生し、そのため、脳の周囲の膜や血管が引っ張られて痛みが起こる。
慢性的な頭痛で、しだいに激しくなる。
せきをしたり、力んだとき、朝方に特に痛む。
嘔吐、目のかすみ、視力低下、けいれん発作、軽い麻痺、異常行動
頭をぶつけて硬膜の静脈が切れて出血し、硬膜の下に少しずつ血液がたまる。たまった血液量が少ないうちは、気が付かないが、だんだん痛みが強くなる。
高齢者に多い。
頭を打ったり、頭にけがをしたあと、数週間から数ヶ月たってから、頭痛を感じる。
ボケ、手足の運動麻痺、尿失禁
主に細菌やウイルスに感染することによって、脳のくも膜と軟膜に炎症が起こる。
だんだん痛みがひどくなる。
発熱、かぜの症状、吐き気、嘔吐、意識の低下、けいれん
眼球内部の圧力が異常に高くなり、視神経が障害されて、しだいに視力が低下する。治療をしないと失明する恐れもある。
前頭部が激しく痛み、数日間続く。
目の奥の痛み、視力低下、電球の周りに虹がみえる吐き気、嘔吐
次のような場合は、自分で判断せずに医師の診断を受けましょう。
質問 | はい | いいえ |
---|---|---|
頭痛の直前に光がチカチカ見える | -3 | +1 |
頭痛のとき、いつも肩こりがある | +3 | 0 |
頭のうしろ(ぼんのくぼ)に鈍痛が起こる | +3 | -1 |
頭の右あるいは左だけが痛くなる | -2 | +2 |
頭痛とともに吐くことが多い | -2 | +1 |
頭痛の間、光がまぶしい | -2 | 0 |
合計 |
合計得点 | 頭痛のタイプ |
---|---|
+5以上 | 緊張型頭痛 |
+4~+3 | 緊張型頭痛の疑いあり |
+2~-2 | 精密検査が必要 |
-3~-4 | 偏頭痛の疑いあり |
-5以上 | 偏頭痛 |
来月のテーマは、「胸痛 -気になるからだの危険信号 痛み-」です。